俺の彼女さん。 ページ36
朝に伊沢くんに挨拶をして帰宅することを告げる。
やっぱり私の家じゃないと落ち着かないし。
落ち着きたいし、心がずっと高鳴ってばかりで少し休ませたいし。
「またね、伊沢くん」
「やだ」
「またそんなこと言う」
「俺が一緒に居たい時にAさんはいつも離れてく。おかしいじゃん、そんなの」
きっと私が高校を卒業した時もそんな風に思っていたんだなと思う。
伊沢くん、あの頃と同じ顔をしてるもん。
「我儘言わないで？」
「また独りにするの？俺の家から帰したくないってカッコ付けた台詞言ったら帰らないでくれる？」
「……心臓発作起こしちゃうから…」
「大丈夫だから…だから一緒にいよ？まだ６時だし。せめてあと１時間で良いから…」
背後から迫ってきたと思ったら簡単に捕まえられてキスをされてしまう。
許してしまう私がいた。
「…１時間だけって、伊沢くん朝から仕事なんでしょ？きっと」
「さすが、俺の彼女さん」
「それくらい察するよ」
もう少しだけ一緒に居よっか。
何もしないけど、２人でベッドの中で互いの温もりを感じる。
ホント、手出したら平手打ちするからね、拓司くん。
「今日さ、仕事終わったら真っ直ぐオフィスに行くから先に行って待っててくれない？」
「えっ？オフィスで？私なんかがQuizKnockのオフィスに行っても良いの？怒られない？」
「何回も来ては須貝さんたちとお喋りしてるじゃん。何を今更」
「そりゃそうだな」
「皆には付き合い始めたこと内緒で。秘密な付き合いを楽しみたいから」
「うーわ。そんな拓司くんに育てた覚えないわー」
「育ててくれてありがたきー」
このままギュッとして離さないでね。
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月7日 10時
