イコール君が好き。 ページ30
いつも通り通い慣れた校舎で事務作業をしている。
またあの先生休んでるな。
体調不良かな?
私の元に産休の為の休暇届があることを思い出した。
そうだったわ。この先生おめでただったわ。
ちゃんと出来ていたはずの仕事が順序良く出来ていない事に苛立つ。
でもその理由は分かっている。
伊沢くんに飛び込んでしまった。
彼氏ヅラしてる生意気で弟みたいな存在に、恋愛経験皆無といって良いくらいのアラサー女が。
あの後は伊沢くんに抱き締められてあの家に泊まり。
始発電車に乗る為にソファーに寝ていた伊沢くんに何も言わず帰宅した。
仕事あるもん。
それはお互い様。
伊沢くんのスケジュールなんて知らないけど。
飛び込んだ=伊沢くんが好き。
という事になるのだろうか。
私はただ単に淋しいだけかもしれないのに。
でも好意を持たれるのは嫌じゃない。
ずっと知っている拓司くんだもの。
嫌いなわけない。
最近意識し始めたといえばそうなんだけど。
恋なのか家族愛なのか分からないのも事実。
同じアラサー仲間である須貝くんにまた相談に乗ってもらおうかなぁ。
そしたら伊沢くん、ヤキモチ妬いちゃうかな?
クスッと笑ってしまうと同僚に変な目で見られてしまった。
ここでは真面目な朝倉Aでいるんだからちゃんとしなきゃ。
スマホの通知を知らせるバイブレーション。
メッセージがきているようだ。
[ 伊沢くん:今日仕事だったから早く家出たんでしょ?俺が起こしてあげようと思って起きてたのにいつの間にか寝てた。ごめん ]
やっぱり好きだな、拓司くんのこと。
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月7日 10時