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彼氏だもん。 ページ28

伊沢くんが寝室に入ってから脱力してしまい、その場に座り込んでしまった。
キス、してしまったのか?


実は先程のアレが私にとってファーストキスなのです。
29歳にもなってキスも男女の経験もないのだ。
仕事ばっかで恋とは無縁だった三十路女。
男性なら魔法使いになれるんでしょ?


柔らかかった…数秒だけど、アレがキスってものなのか。
思い描いていた理想とは違い、相手は伊沢くんだ。
弟みたいに可愛がってきた男の子。


「……揺れ動いちゃうじゃんか…」


ボソッと呟いた言葉に自分自身驚く。
何を言っているんだ、私は。


寝室のドアが開き、伊沢くんがラフな服装になって出てくる。
どんな顔すれば良いのさ。


「Aさん、ちゃんと俺のこと男として見てくれる気になった?」


「はっ!?濃厚接触禁止ッ!」


「今は接触してないでしょ」


「さっきした!!」


伊沢くんは私の背後に回って抱きついてくる。
これは確実に濃厚接触です!


私の指と伊沢くんの指が絡み合って吐息が耳元に吹きかかる。
背中に伊沢くんを感じながら慣れていない状況に胸が高鳴ってしまう。


「須貝さんと会ったとか、妬けるんだけど…出来れば俺以外の男と2人っきりで会わないで欲しい…」


「彼氏みたいな台詞言うじゃん…」


「今は彼氏だから。Aさん、俺を試してるの?」


「試すとかそんな器用じゃないよ…てか、近いし伊沢くん…」


「彼氏だもん……」


伊沢くんを少し幼く感じてしまった。
ドキドキしてる。
落ち着かなきゃ、私。






.

逃げないで。→←不可抗力だわ。



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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月7日 10時

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