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親子は似ている。 ページ14

その後車に戻ってきた伊沢くん。
私にカフェオレを買ってきてくれたらしい。
伊沢くんはここでもプロテインだし。


「ありがと…なんか急に優しくない?」


「いつでも優しいんじゃない?」


どうやったらこんな捻くれた子に育っちゃったんだろうか。
元々特殊な性格ではあったけど。
伊沢くんのお母さんだって一緒に住んでみたらおちゃらけな人だったし。


伊沢くんばかり見てもアレなので外を眺めている。
もう少しだと思った時に伊沢くんも同じことを呟いた。


空いてるスペースに車を止めてシートベルトを外す伊沢くん。
私も外そうとするが何故か上手くいかず焦る。


「えっと、なんでだ?ちゃんと押し込んでるはずなのに」


「ちょっと手伝う」


私のシートベルトを外す為にかなり密着してしまう。
私の胸の辺りに伊沢くんの顔が当たるか当たらないかの距離。


「ほい、外れた」


「さすが東大出身は違うね」


「関係ないでしょ?Aさんだって受験すれば絶対受かるし」


「この歳で受験は正直しんどいな」


お土産を持って家の中に入る。
伊沢さんが車の音を聞いて玄関まで出迎えてくれた。


「こんにちは、久しぶりねAさん!それに拓司も。2人揃うとなんか結婚の挨拶に来たって感じね!」


「はい??」


冗談のつもりなんだろうけど、今の私は敏感なのです。
"結婚"というワードも、"拓司"というワードも。
似た者親子だなと改めて感じる。





.

お願い事にフリーズ。→←物理的な距離は。



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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月7日 10時

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