【QK】先輩の言うことに従いなさい！【kwmr】 (ページ28)

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僕なんだから。ページ28

YouTubeの動画をいっぱい見てしまった。
履歴をタップするとほぼ河村さんがサムネになっている動画ばかり視聴していたみたいだ。
もう少し、こうちゃんさんの見なきゃな…。

ホームボタンを押して時間を確認すると１０時になっていた。
今頃オフィスで河村さんは何をしてるかな…また理系組で集まって変な会議でもしてるのかな。

私は掛け布団を頭まで被って目を閉じることにした。
熱が高くていよいよおかしくなってしまったらしい。

静かになった部屋にインターホンの音が鳴り響いた。
こんな時に誰だ。Amazonでは何も頼んでないし、親から荷物送ったという連絡もない。
だから勧誘か何かだろうと思って、申し訳ないが居留守を使うことにした。

それでもインターホンは鳴り続ける。
これは勧誘と私とのバトルだ、負けない！

暫くして鳴らなくなったので諦めて帰ってくれたかと勝ち誇っていた。
今度はスマホから着信が。
相手は河村さんである。息を整えてから通話ボタンを押した。

「も、もしもし」

『おい。居留守使うんじゃないよ』

「はい？一体何のことでしょう？」

『僕、先輩。今、貴女の自宅前にいるの』

「げ。なにそれ怖い」

『怖くないだろ、僕なんだから』

「もうちょっと良い言い方無いんですか？そんなホラー要素たっぷりで言われると河村さんがメリーさんに見えてくるんですけど」

『メリーでもメアリーでも何でも良いから早く開けろ。せっかくAが心配でお見舞いに来たって言うのに』

私の先輩は今まで出逢ってきた先輩よりも良い人だったらしい。
自宅に同僚が訪ねて来るなんてホラーだと思っていたけど、嬉しくて堪らなくなっていった。

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