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一緒に行く。 ページ22
扉を全部開けてAを執務室に招き入れた。
Aの腕を掴んで。
「…河村さん、おでこ大丈夫ですか…？」
「ああ、大丈夫。念のため冷却シート貼ってあるけど大したことないから安心してくれ」
「良かったです…先輩、ごめんなさい。あ、あの…河村さんさえ良かったらでいいんですけど、今度どこかにお出掛け、しませんか…？」
「えっ…？」
意外だった。
Aは真っ直ぐこちらを見て照れてるような表情で言ってくれている。
そんな純粋なキャラじゃないだろ。
「あっ、いや！無理にとは言いませんので！すいませんっ、迷惑でしたねっ、私はこれで…」
ドアを開けて執務室から出て行こうとする。
僕はそんなAの腕を再度掴んだ。
「迷惑じゃない」
「か、河村さん…？」
「一緒に出掛ける。出掛けたい。僕を誘ってくれたんだろ？だから一緒に行く」
Aが見てくれたように、僕も真っ直ぐ見つめる。
照れてるけど顔に出さないように努力しているつもり。
「……２人で、ですか？」
「Aがそう言ったんだろ」
「出掛けませんか？とは言いましたけど、２人でとは言ってませんけど？」
Aは僕と似たような顔つきで悪い笑顔をしてくる。
してやられた…！
絶対２人でって意味だろうが！
「…っ。２人で出掛けるんだぞっ！」
Aの頭にチョップをする。
いつもより少し強めに。
「いったーいっ！」
後ろを向いて僕は笑いが止まらなかった。
福良と目が合って、プロデューサーもニヤけていた。
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月22日 20時
