【QK】ただの東大生の短編には興味ありません！【短編集】 (ページ6)

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私の彼氏は画面の向こう。kwmr ページ6

私はただ今とあるシミュレーションゲームにハマっている。
ゲームの内容は何人かの攻略キャラクターとの疑似恋愛だ。
今の恋愛ゲームには珍しくキャラクターに自分で好きな名前を付けられるのだ。

これがスマホアプリで無料で遊べるのだからリアルな彼氏がいない私にはもってこいの代物だ。

無料で攻略出来るキャラクターは３人と決まっている。他のキャラクターはお布施という名の課金をしなくてはならない。

でも私には必要なかったのだ。
私が一目惚れしたキャラクターは無料で攻略出来るんだから。

このキャラクターはクール系でドS。
今どき肩書きに堂々と書いちゃうなんて凄いわ、好きだわ。

そしてこのキャラクターの名前…私はとある人の名前を付けている。
同じ学部で受けてる講義も一緒で、常に私の背後にいる男子。

詳しくは知らないんだ。話したことも数えるくらい。めっちゃ頭良さそうな顔してるし。私も同じ東大なんだけど、この人はオーラが違う。

私が攻略しているキャラクターと似てるの。
だから『河村拓哉』って名前にしたんだよ。

画面の向こうの彼は会話の選択肢が成功しているせいなのか目が合うと頬を赤くして話し掛けてくれる。

現実にいる『河村拓哉』は今日も私の背後の席で講義を受けている。

こんな時、私はどんな選択をすればいいのだろうかと考えてしまう。

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