【QK】ただの東大生の短編には興味ありません！【短編集】 (ページ30)

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＊ページ30

俺なりに尽くしてきた。
想いは変わらずずっと好きだ。
彼女の接し方も少しずつ変わっていた。
向こうから寄ってくることもあったし、彼女の家に呼ばれて手料理を奮ってくれることも増えた。

初めてのキスは多分普通の恋人たちより遅かったかもしれない。
仕事で疲れている彼女。いつものように手料理を用意して一緒に食器を準備する。

「Aさん、無理しないでたまには俺を頼っていいんだよ？」

「平気、大丈夫。こうちゃんは優しいね」

まだ学生の俺は、社会に出たことないから彼女を労うことしか出来なくて。
俺でしかしてあげれないことが何かって分からずにいた。

キッチンのシンクの前で彼女を背後から抱きしめる。
少しだけ俺より小さくて柔らかい彼女。

彼女のカラダを俺の方に向け直し、そのまま何も言わずに唇を重ねた。
俺にとってはファーストキスだった。
きっと彼女は初めてじゃないだろうけど。

それから俺たちの関係は深いものになった。
お互いがお互いを愛するようになった。
そこに年齢差なんてもうなかった。

そして俺は大学を卒業した。
以前から活動している所で正社員として働くことになった。
最初は仕事に追われる日々で逆に彼女に支えられるようになった。

気がつけば俺は２３歳に。彼女は３３歳になっていた。
文句の一つも言わずに一緒にいてくれた。
ありがとうなんてそんな安い言葉じゃ伝えきれない。

いつものように用意してくれる手料理。
当たり前になっていた。
もう当たり前にするんだよ、ずっとこれからも。

「A、待たせてごめんね。俺と結婚しよう」

三ヶ月分の給料の指輪じゃないけど受け取って貰えるといいな。

待たせてごめんね、ずっとずっと、愛してるよ。

ー待たせてごめんねー

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珍しく恋愛テイストに書き上げた作品。
私らしくないかもしれないけどね。年の差って色々大変そうだけど乗り越えたらそれだけ幸せだよね。
ということで私は年下男性好きです。