結婚願望芽生えちゃうよね。 ページ14
定時の出勤時間が迫り、続々とオフィスに出社してきているみたいだ。
俺とAさんと拓実は執務室で待機。
拓実に俺のデスクに置いてあったルービックキューブを持たせてみた。
回しはしないけど不思議そうな顔で触っている。
「私、今日ここで仕事しましょうか？福良さんの許可が出ればの話ですけど」
「もちろん大丈夫だよ。俺も出来る限り面倒は見るけど動画の撮影とかあるからつきっきりに出来ないし、Aさんがいてくれると助かる」
「二人で協力すれば拓実さんも機嫌を損ねることは無さそうですもんね」
拓実は…というより小さい子はとても敏感だと思う。
大人より周囲を見てるし、少しの雰囲気の変化も感じ取ってしまう。
俺たちは今、親代わりみたいなもんだから不安にさせたらいけない。
「Aさんと俺となら上手くやっていける気がするよ」
「あらやだ。福良さんったらプロポーズに聞こえちゃいますよ？(笑)」
「あはは。赤ん坊の前でそんな恥ずかしいこと言ったように聞こえた？」
「福良さんはとても家庭的な感じするので」
何言ってんだよーって二人で笑い合って、もう結婚したいなって俺らしくないこと考えたりした。
Aさんに物凄い勢いで惹かれている自分がいた。
「おはようございますー…ん？あれ、オフィスと一般家庭間違えて入ってきたかな…？」
執務室のドアを開けたのは同じく企画者として働いてる河村で。
河村は一瞬固まると中に入らずドアを閉めた。
ここ、お前の仕事場だから入ってきていいんだよ！
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月1日 6時
