ナイスガイの困惑。 ページ12
sgi
今日は久しぶりにオフィスに向かう。
YouTubeの撮影もあるからなぁ。撮影がある時はなるべく早めに出社するようにしている。
１５分前行動というより余裕を持っていくナイスガイなんだよなぁ、俺。
インターホンに手を伸ばそうとしたが、こんな時間に誰も来てないだろうと思い、貰っていた合鍵で開けようとする。
でも何でかロックは掛かっておらずそのまま開いた。
玄関に二足の靴が並んでるのが見えた。
俺より早く来るだなんて誰だ？珍しいこともあったもんだな。
リビングルームにあるデスクに荷物を置くと執務室の方から話し声が聞こえてきた。
執務室ってことは福良と河村くんか？
女物の靴だったと思ったけど、河村くん趣味変わったの？
こっそりと執務室の扉に耳を傾けてみると福良とAちゃんらしき声が聞こえてきた。
福良がこんな時間にいる事が珍しいし、Aちゃんと二人っきりで密室にいるなんてやらしい！お兄さん恥ずかしくなっちゃうけど会話聞いちゃう！
「タクミさんに何か与えたいんですけど何か好きなキャラクターとかないんですか？」
ん？タクミさん？ヨビノリ？
Aちゃん、あいつとそんな仲良かったっけ？
与えたいって上から目線で草。
好きなキャラクターとか年下扱いされてるじゃん、ヨビノリ。
「無難にアンパンマンとかは？少し前に家に行った時にDVD観て笑ってたし」
福良、なんでそんな真面目なトーンでそんなこと言うの！？
確かに顔は似てるって言われてるけど、ヨビノリまさかプライベートでアンパンマン観て勉強してんのか？
「福良ァ！その話、もう少し詳しく聞かせろッ！」
勢いよく執務室のドアを開けて入ると二人して目を丸くしてこっちを向いている。
「は？なにその赤ちゃん」
ヨビノリのことは頭の中から消えていた。
二人の間には赤ちゃんがちょこんと座っていた。
いつの間に赤ちゃん産んだの、お二人さん。
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月1日 6時
