認めて欲しいから。 ページ20
「福良さん、こっちは準備出来ました!拓実さんのオムツ交換も完了しましたよ!」
「オムツはこれくらい準備しておけば間に合うかな?ミルクは…固形のやつがあったはずだからそれを持って行こうか。お湯は間に合うかな?」
「そのくらい水筒に入っていたら大丈夫だと思います。お腹が空かないように適度におやつをあげるので間に合うかと。道中、長いですからお昼寝もしそうですし」
11日目の水曜日。
昨日、伊沢や皆に急だけど実家に帰省させて欲しいと頼んだ。
特に理由らしい理由があるわけじゃなかったにも関わらず、こっちの気持ちを理解してくれているのか有給休暇を許可してくれた。
有給じゃなくても良かったのに、伊沢には頭が下がる。
母親には昨日の内に連絡を入れた。
お兄ちゃんの赤ちゃんと一緒に実家に帰るねって。
両親も拓実の事は気にかけていたし、東京と離れているから拓実とは会った事ないらしい。
今は写真やビデオ通話があるから孫と離れていても近くに感じてるって言ってたけど、やっぱり見せたいでしょ。
兄夫婦は忙しい人だから帰省も出来ないだろうし。
俺もこの仕事を始めてから帰省するのは初めてかもしれない。
ずっと仕事一直線だったし。
帰りたいって思ったのはちゃんとした理由がある。
拓実の事もそうだけど、Aさんの存在が大きい。
紹介…そんな堅苦しくは考えていないけど、実際はそうなのかも。
ずっとずっと好きで、気持ちが同じな事に気づいて。
拓実との生活が終わっても一緒にいようねって約束したから。
将来の伴侶として考えてるから、俺は。
両親に認めて欲しいのかもしれない。
2人で暮らすことを。
将来のことを。
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 12時