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はじめの一歩。 ページ5

僕が恋を自覚してから数日が経過していた。
特別変わりはない。会ってないし。


でも僕の気持ちは変わらなくて、夢に出てきそうな程いつも考えてしまう。
夢には出てきてくれないんだけどね。


福良には「協力してあげよっか」なんて言われたけど丁寧にお断りした。
あいつのことだから何しでかすか分からないし。


伊沢に至っては毎日LINEで僕を励ます(?)メッセージが来る。
お前だって恋愛偏差値2だろ。


進展も何もない先の見えない片想いに少し落胆しているところもあった。
毎日オフィスと自宅の往復。
今日も仕事だと意気込んでオフィスの扉を開く。


中に入ると後輩コンビがワイワイやっていた。
僕に気づいたらしく挨拶してくれる。


「おはよう、こうちゃん、山本」


「河村さん、春が来ましたねぇ」


「こうちゃん頭おかしくなったのか、今冬だぞ。冬将軍来てるぞ」


「季節の事じゃないですよぉ、河村さんに好きな人出来たって聞いて嬉しくて嬉しくて!」


山本がこうちゃんムーブをしながらテンション上がっていた。
なんでこの二人が知ってるんだよ。


「河村さんも可愛いトコあるじゃないですかっ!俺、それなりに恋愛経験あるんでいろいろアドバイス出来ます!」


「ちょっと待て。誰から聞いた、その話」


「「伊沢さん」」


あのVaca野郎。


「でもAさんなんて意外です。確かに可愛いけど」

「てっきり福良さんの好きな人かと思ってたけど、まさかの河村さんで驚きました」

「Aさんのこと君ら二人は知ってるのかね」

後輩コンビはケータイを触るや否や画面を見せてきた。
Twitterのアカウントだった。
名前はシンプルにAと載ってある。


「僕ら相互フォローなんですよ、何回か福良さんと一緒に謎解きイベント行ったりしてそこで仲良くなって」

「Aさんめちゃくちゃいい人ですよ!」


そんなの当たり前だろ、僕の好きな人なんだから。


「河村さんもフォローしてみたらどうです?」


一歩踏み出さなきゃなって思う。
このままで良いわけないんだ。

「…山本、アカウント教えて」


僕はTwitterを起動させてAさんをフォローした。




.

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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月3日 20時

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