僕なりの小さな恩返し。 ページ39
今僕がいるのはAさんの自宅近くのコンビニ。
ストーカーではない。
ちゃんと本人にこの場所を教えて貰ったので安心して。
自宅の住所を教えて貰っているがスマホアプリをつかって辿り着いたのはここ。
所詮個人宅を特定出来ないんだよな、このアプリ。
うん、アプリを批判してるわけではないよ。
タクシーを使えばAさんの所へ真っ直ぐ行けるかもしれないし。
本人了承してるんだから行っても構わないんだけど行けないのは僕だから。
僕の良心がそれはまだするなとストップをかけているからである。
[ 河村・拓哉:近くのコンビニまで来ました。青い看板が目印のとこにいます ]
メッセージを送信してコンビニにの中に入る。
待ち合わせ場所として使わせて頂いてるので何かしら買わせてください。
一通り商品を見たが特別買いたい物が見当たらない。僕はつまらない客。
レジに向かいコーヒーのメニュー表が目に入る。
前にAさんに頂いたし、僕もこれで恩返し。
「すいません、ホットコーヒーふたつ」
「はい、ホットコーヒーふたつで200円になります」
財布を開けると諭吉が一人しかいない。
心の中で店員さんに謝りながら出した。
小銭はねぇのかよって顔しないで、僕泣いちゃう。
店員さんからコーヒーを受け取り外に出るとAさんがもう既にいた。
「河村さん、おはようございます」
「おはようございます、これ良かったらどうぞ」
「あ、ありがとうございます…!わざわざ買ってくれたんですか?」
「恩返しですから」
「??」
キョトンとする顔見るとホント面白くて胸の奥がくすぐったい。
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月3日 20時