【QK】僕の好きな人はあいつの親友【kwmr】 (ページ26)

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頼りになるお兄さん。ページ26

須貝さんの着てるパーカーのフードの部分を掴んで別室に移動する。
こういう時に誰も使ってない撮影部屋は便利だなぁ。
今日撮影だけど始まるまでは僕と須貝さんだけの空間。

「かーむらっ、ひっぱるな、く"る"し"い"」

「すんません、自分のことしか考えてなかったです」

掴んでいた手を離す。
須貝さんはパーカーを直してソファに座る。

「って、俺に頼みたいことって？物理？」

「なんでもかんでも物理に結びつけないでください」

「河村くんが理科のお兄さんに頼むことって言ったらそれしかないかと思ってた」

「僕も理系なので。って頼みと言うのはですね、須貝さんに女性との正しい接し方について教えて貰おう思いまして」

「なんで俺！？福良かこうちゃんに聞いた方が良くない！？」

「えっ、須貝さんその分野得意そうな気がしたもので」

「どこから見たらそう感じるの！？俺推しとしか話せないんだけど？」

「それなんですよ！」

好きな人と気軽に話せるだなんて凄すぎでしょ。
恋愛とはまた違った感情なんだろうけど好きな気持ちは僕も須貝さんも一緒でしょ。

「…要するに好きな人とちゃんと向き合って話したいって解釈でＯＫ？」

「さすがナイスガイ」

「こうちゃんからふわっとしか聞いてないんだけど、河村くんの好きな相手って福良さんの親友なんでしょ。福良さんの方に聞いた方が早いと思うんだけど」

「あいつはあんまり当てにならないので。聞くと面白がるし。須貝さんが適任かと」

「しょーがないなぁ、お兄さん頑張っちゃいますか！」

腕まくりをして僕をソファに迎えてくれる。
僕なんかと違って優しいんだよ、須貝さんは。
だから縋り付きたくなるんだよなぁ。

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