社長は気分上々↑↑ ページ24
僕が久しぶりに出勤出来る日が来た。
通い慣れた道なのに久しぶりすぎてなんか違う道を通ってしまった。感覚鈍ったのか。
オフィスに向かってると後ろから自転車が通り過ぎた。危ないなぁ、気をつけてくれよと無言で圧力をかけると自転車の主が止まってこちらに振り返った。ごめんなさい、無意識に圧かけました。
その顔は見たことある顔。いや、親の顔以上に見たことあるし。
「伊沢かよ」
「なんか見覚えのある服だと思ったら河村さんじゃん」
「僕のファッションはローテーションだからな」
「俺の服あげましょうか？」
「似合うわけないだろ」
「確かに」
伊沢だからこんな馬鹿げた会話も心地よい。久しぶりの対面だからそう思うんだろうな、そういうことにしよう。
向かう場所は一緒なので二人で並木道を歩く。
横断歩道を渡るため信号待ちをしていると伊沢が思い出したかの様に口を開く。
「そういえばAさんがQuizKnockで働くことになりましたよ、河村さん」
ニヤニヤとあの憎たらしい笑顔を向けてくる。
僕はチラッと横を見て得意気に言ってやった。
「知ってるよ」
「えっ、もっと泣いて喜ぶと思ってたのに」
「大人なんで」
27歳だぞ、僕は。
泣きはしないけど喜んだのは事実。
伊沢はサプライズ失敗したって悔しがってるけど。
僕の感情を揺さぶれるのはAさんしかいない気がするな。
伊沢は鼻歌混じりで気分が良いみたい。
僕は気分良くても鼻歌なんか歌ったら周りが滅びちゃいそうなんでよしておくか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「QuizKnock」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月3日 20時
