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「はいっ、この話は終わりです!次はあっちのイルカ見に行きましょう!」


左腕を掴まれて引っ張られる。
少し早足で目的地に向かう。
僕の鼓動はさっきより明らかに速くなっていて、Aさんの一言一言が熱くさせる。


〈 勘違いしてもいいんじゃないですか?〉
勘違いしちゃいます。そんなこと言われたら。


僕の前を歩くAさんは先程から僕のこと見てくれなくて、イルカばかり見つめていた。


「Aさん」


「な、なんですか、河村さん」


やっと振り向いてくれた。
僕の考えすぎか。自惚れていたかもしれない。Aさんが僕のこと意識しているだなんてよぎった自分が恥ずかしい。


「あっちのエリアに福良がいるよ」


「えっ!?って、あれはイカですよ(笑)メガネかけたら福良くんに見えなくもないですが…」


「やっと僕見て笑ってくれた」


「反則ですよ、河村さんは…わたしまけましたわ」


「回文」


「正解です!」


クスクスとお互い笑いあってやっぱりこの空気感が好きだなと思う。
僕の意味不明な発言も君は一つ一つ拾ってくれる。


僕は君が好きだ。





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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月3日 20時

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