ライバルなのか。 ページ2
彼女が「河村さん?大丈夫ですか?」って呼びかけてくれているのにやっと気がついて我を取り戻した。
「ん?河村、どうかしたの?」
「パソコンは直ったけど河村さんがフリーズしてしまったみたいで…」
「河村、大丈夫?」
福良も覗き込んでくる。
違う、違う。お前じゃない。
「人をパソコンみたいに言うなよ、福良」
「言ったのはAなんだけどなんで俺が怒られるんだよ…」
福良と彼女はコーヒーを飲みながら雑談をしていた。
もう意識しまくってる僕は耳を傾ける事しか出来なくて企画案出さなきゃいけないのにキーボードはまるで空打ち。
二人の会話を聞いていて一つ思った。福良は彼女にあの返事いつくれるの?って言ってる事。
お前、告白してたのか?
確かに僕と違って積極的だし世間からみたら優しい人の分野に入るから女性が好きそうなタイプだろ。
まして同期で親友ときたもんだ。
「福良くんは毎回同じこと言ってくるもんなぁ」
満更でもない様子。
え、もしかして僕早速失恋なの?
「まぁ、前向きに考えてよ」
「うーん、考えるだけね」
そう言うと持っていたマグカップをテーブルに置き帰り支度をする。
チラッと彼女を見ると目が合ってしまい慌てて目を逸らしてしまう僕。
かなりの臆病者。
「じゃあね、福良くん。河村さんも。お邪魔しました」
僕は軽く頭を下げて見送る。
ドキドキタイム終了。
高鳴りが落ち着くまで暫くかかりそうだ。
とは言え問題がある。
僕は今日彼女と知り合い一目惚れ。
福良は大学時代からの親友(告白済)(しかもいい雰囲気?)
同じ土俵に立つには絶対に不利だろ。
ん。待て。
今日初めて会ったのに彼女は僕の事知っていた。
〈 ー河村さんー〉
福良の知り合いだから動画見てくれてるんだろうな。僕もそれなりにYouTuberしてるし。
わさびのお寿司も食べたしミニコントだってやってるしな。
けど嬉しいな。
僕のこと知っててくれて。
「河村、ニヤけてて気持ち悪いんだけど…」
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月3日 20時