親友の想いを知る。 ページ37
fkr
数日前にAからいきなり電話からきたんだ。
いつもはLINEのメッセージだけで用事を済ますから何事だろうと作業を止めて通話を開始。
「もしもし、Aどうした？珍しいな、電話だなんて」
『ごめん、ごめん。いま電話大丈夫？』
「うん、大丈夫。いま自宅で作業してたけどちょうど休憩したいと思ってたからさ』
『そか。それなら良かった』
何か用事があって連絡してきたんだろうな。
やっぱりこういう時に親友っているもんで。
Aは俺の親友だから悩みがあるなら何でも聞く。Aの聞いて欲しいことなんて分かるよ。
「…河村のこと？」
『…………なんで河村さんが出てくるの…？』
「てっきりそうだと思ったんだけど」
『こわいこわい、ふくらくんこわい』
「否定しないところ見ると案外当たってたりしてね」
『……あのさ、私QuizKnockで働いてもいいかな？ずっと断ってた奴が今更何言ってんだって話だけど』
予想してなかった。
ずっと前から誘ってたけど、いつもいい返事は貰えなかったのにどうしたの。
「もちろん入社して欲しいよ、大歓迎」
『うん、ありがとう。今日はそれを伝えたくて電話しました』
「…あのさ、Aが入社したいって考えてくれたきっかけ作ったのって、河村？」
数秒の沈黙。こんなのそうだって言ってるみたいじゃないか。
『………下心無しでは、見られなくなってしまったので……』
「下心あってもいいんじゃない？別に」
『いや、今の発言撤回。何も考えるな、福良くん』
「無理でしょ、もう聞いちゃったし」
俺の親友はかなりの不器用だ。
河村だってそうだし。この二人かなり似てるんだなって少し妬いた。
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月3日 20時
