月と太陽 (ページ8)

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「A！！」
「お疲れ様です〜」
「今日の学食美味しそうなのあった？？」
「あ、メニューみてないからわかんない……」
「何食べてんの？」
「チキン南蛮定食……」
「美味しそう！それ買ってくる！食べて待ってて！！」

あれから今まで通り、いや今まで以上に、シャオジュン先輩から話しかけられるようになった。子犬みたい。
まって一緒に食べるつもり？！

「ただいま。おまたせ」
「あれ、チキン南蛮じゃない」
「Aがすぐに食べ終わってどっかいっちゃうと困るから、ラーメンにした笑」
「別にどっか行かないですよ。なんか用でもあるんですか？」
「いや、別に一緒に食べたかっただけだけど。ダメだった？」
「あ、え、いや…？」
「あ、いま用できた。今度の休みどっか行かない？」
「えー、デートですか？」
「デートです！」

なんだなんだ。急に直球来たぞ。冗談で言ったつもりだったのにほんとにデートだとは……
ちょー真面目な顔してまっすぐ私の顔みてるし。
そんな直進されると、避けたくなるのが私のダメなところ。
どうしよう。どうしよう。

「ダメ？？俺はデートしたいんだけど。」
「ま、また今度で！ごめんなさい！！！」

まだ食べきってないチキン南蛮を犠牲に席を立って逃亡。
チキン南蛮大好きなのに全部食べない私、馬鹿！！！
お昼だから他に空いてる席なんかなくて諦め。
ラーメンすぐに食べられて追いかけられたら困るから急いで３限の教室へ向かう。

さすがに早すぎたからか、教室には誰も人はいなくて、1番後ろの席をゲット。
暇だから、スマホを開くとシャオジュン先輩からLINEが。
『今度っていつ？？来月？』
さっきの今でデートの日程決めれるわけない。
申し訳ないから未読無視させて頂こう…… 授業も始まるし……
ごめんなさい……！！！
心の準備ができてないんです。