第24話 ページ25
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治「何ゆーとるん自分。」
宮さんの低い声が響いた。
治「確かに今は猫の手も借りたいほど手伝って欲しいわ。
でもな、バイトをそんな遅くまで働かせんのもあかんねん。
遅くまで働かせて、帰り遅なって、なんかあってみいや。責任とれへんもん。
それに学生は学業が1番や。夜遅くまで起こして学校に支障きたすようなことあったらあかんねん。」
「っ…」
いつもの優しい声とは変わって、
低い声でそう言われたら、何も言えなくなってしまう。
宮さんは私の頭をポンと撫でると、
またいつもの優しい声に戻って、
治「気持ちは嬉しいねん。せやけど、ごめんなぁ。
手伝ってほしいのは山々やねん。いやほんまに手伝ってほしいねん。
けど、今日は帰りぃや。ありがとな。」
宮さんの優しい声に思わず涙が出そうになってしまった。
治「そんな顔せんとって?
Aちゃん明日の夕方もシフト入っとるやろ?
またそんとき頑張ってくれればええから。」
上に乗っている宮さんの手がわしゃわしゃと頭を撫でる。
「分かりました…帰ります。
でも、無理しないでくださいね…」
治「おん、ええ子や。」
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私は退勤カードに時間を書き、
「お疲れ様でした…」
お店を後にした。
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家に帰ってから、お風呂に入り、布団に横になる。
落ち着かない。
時計はもうすぐ12時を過ぎる頃。
きっと、宮さん、まだお店に残って準備してるんだろう。
治『仕入れてからまず捌くやろ?ほんで塩漬けすんねん、5時間。
漬けすぎてもしょっぱなるから5時間が1番ええって研究してん。』
5時間…
前に宮さんが言っていた言葉を思い出す。
漬けている間もきっといろいろやることがあるのだろう。
実『1人でやる量じゃないやん!』
ごめんなさい。宮さん。
やっぱり私このまま寝れないや。
たぶんもう終電は間に合わない。
隣の駅だし自転車で十分行ける距離。
パジャマから普通の服に着替え、最低限外に出られる準備をする。
明日、直行できるように大学の鞄も持っていこ。
・
今から行くのはバイトとしてじゃなくて、1人の人間として、困ってる人をお手伝いしに行くだけ。
夜中で危ないのも分かってる。
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ガチャリと部屋のドアを開けた。
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おにぎり宮、開店まであと1日。
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ジャム - 間違ってたらごめんなさい。 佐久早くんの聖が清になってます。 (2021年6月10日 19時) (レス) id: 05b8f4c815 (このIDを非表示/違反報告)
たたねんこ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます、わざとそうしてます、、! (2021年2月4日 18時) (レス) id: 415db63fbe (このIDを非表示/違反報告)
あ - 間違ってたらすみません!LINEがLIMEになってます、、、! (2021年1月11日 23時) (レス) id: acd8df42fe (このIDを非表示/違反報告)
たたねんこ(プロフ) - 田中さん» コメントありがとうございます^^もう自分の身の何をどう捧げればいいのか分からないくらい稲荷崎尊いですね…!! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 415db63fbe (このIDを非表示/違反報告)
たたねんこ(プロフ) - 猪と猫さん» コメントありがとうございます!もう本当に稲荷崎民にとってはこれは命日かな?ってなるくらい本誌やばかったですね!!猪と猫さんのすなくんの作品も楽しく読ませていただいてました!!これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 415db63fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たたねんこ | 作成日時:2020年4月10日 1時