第7話 ページ9
「え…。」
私は学校で治のことをそう呼んでいる。
「…あっ。」
サムドイッチなんて呼んでるの、
私しかいないやんか。
治「え、Aなん…?!」
ぼとっと買ったばかりのジュースを落としてしまった。
やばい、治にばれた。
毎回倫太郎倫太郎と大きい声で騒いでは、応援席で倫太郎うちわ振り回してるあの女が、
私だと、
バレてしまった。
学校では澄ました顔で、普通に倫太郎と仲良くしている私が、
倫太郎の超熱烈ファンだとバレた。
「ううううわああああっ!!
お願いサムドイッチっっっ!!!!!!
このこと倫太郎だけには言わんといてっっっ!!!!」
治の下は駆け寄りその胸元を掴んではブンブンと振り回した。
試合後やのにごめんな。
明日決勝やのにごめんな。
もう治にバレてしまったことにはしょうがないから、もうせめて、倫太郎本人にはバレないようにと頼み込むしかない。
治「おわわ、分かった!分かったからいったん離せや!」
そう言って治に腕を掴まれ動きを止められる。
パワー4め、敵うわけないやろ。
治「え、ほんまにAなん…?」
「そうやで。」
マスクを下げて、治を見つめた。
治「まじか…、ほんまや…。
え、頭が追いついてないんやけど、
行かないとかゆーとってたくせに、今までの試合全部見に来てたってことやんな?」
「いやだって、バレたくなかったんやもん…!」
治「え、ほんまや。うわAまじか。
倫太郎お姉さん…。Aが角名のファンとか…、
やばい笑いが止まらへんっ…!」
腹をかかえて肩を震えさせ出した治。
やめろや。
「笑うなっ!!!!」
ぼかっと頭を叩いた。
疲れてるのに叩いてごめんな。
「私、ほんまに、1年生のとき、友達に連れられてバレー部見学行ったときな、
普段教室であんなにだるそうにしてる倫太郎が、
バレーしとるときむっちゃキラキラしとるん見て完全に惚れたんや。
そっからもう今みたいに追っかけ始めたんやけど。」
笑いながらも私の1人語りを聞いてくれる治。
うんやっぱ優しいわ。
「私の倫太郎愛はとにかく、深く重く底がないんや!
サムドイッチ、お願いやからこのこと内緒にしてや…!」
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光魚苦(プロフ) - たたちゃ〜ん!!!早く更新して★ (2020年9月4日 3時) (レス) id: c7e0cd7ffb (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新楽しみにしています! (2020年6月4日 1時) (レス) id: 6cf5a12da9 (このIDを非表示/違反報告)
すんよる(プロフ) - 本当に好きすぎて死にます。作者さん生まれてきてくれてありがとう。更新待ってます。私は作者お姉さんになります。 (2020年5月31日 2時) (レス) id: 22bb7fbe7f (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - こんにちは。更新されるたび楽しみが止まりません!いつも楽しく見させていただいています。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: 7700997db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たたねんこ | 作成日時:2020年5月21日 2時