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第16話 ページ18

「えっ!りんっ…じゃなかった、スナ!」



倫太郎は水道で冷やす私の腕を掴むと、



角名「これ骨までやっちゃってるじゃないの。
俺バレーで突き指してもこんな腫れたことない。
保健室行くよ。」


え、また保健室…?


ぐいっと腕を引かれて、歩き出す倫太郎。


待ってや、さっきまで得点係やっとったやん。
なんで君ここにいるんや。


私の渾身のパンチを見たというのか?


「ま、まって、すな…!」


角名「なに?」


「歩くの早っ…!」


角名「あっ…ごめん。早く保健室行かなきゃと思って…。」




ぱっと、私の手を離した倫太郎。




違うんです。別に歩くスピードは合わせようと思ったら走ればいいだけやったし。


貴方に腕を掴まれているというだけで、心臓止まりそうやったんですわ。
その色気自覚してくれ。そろそろ死ぬぞ私。



角名「A、人に心配かけたくないからって無理しないでよ。」



「え……」




ぽつりと呟いた倫太郎。




角名「や、気付いたのは治だったんだけど…。」




治の野郎イケメンかよ。

でも来てくれたのは倫太郎やん。



角名「ナイスパンチだったけどね?」



いや倫太郎も、見てたんかっ!




保健室に着くと氷で冷やされた。



骨折してるかもやから病院行くようにと言われて包帯ぐるぐる巻きにされた。



嘘やん。

ボールパンチして骨折なんてする?





その間倫太郎はずっと隣にいたくれた。




角名「体育サボりたいだけだし。」


「倫太郎今日授業サボりすぎやで?」


角名「いいの。」



そう笑う倫太郎がかっこよすぎて睫毛が全部抜けるかと思った。






先生「ほんなら私はちょっと職員室行って、担任に連絡してくるから、Aさんは大人しく待っとるんやで?」


「はーい」



先生がそう告げ、保健室を出て行ったと同時にキーンカーンカーンコーンとなるチャイム。



「あ、体育終わってもーた。スナ、ここにいてよかったん?」

角名「俺がここにいたかったんだし。」




窓から差し込む浅い夕日。

光に包まれた倫太郎。








なんか、ヤバイ。


6限終わって、今度こそ放課後。




私が朝、バスの中でした妄想のシチュエーションと同じや。







2人きりの保健室で、

放課後で、

夕日が差し込んでて…







私、今度こそ死ぬかも。








ガラッ!!!!!





治「大丈夫かAっ!!!」


華「あんだけ腫れとって大丈夫なわけあるかいっ!」







タイミングがいいのか悪いのか。

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光魚苦(プロフ) - たたちゃ〜ん!!!早く更新して★ (2020年9月4日 3時) (レス) id: c7e0cd7ffb (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新楽しみにしています! (2020年6月4日 1時) (レス) id: 6cf5a12da9 (このIDを非表示/違反報告)
すんよる(プロフ) - 本当に好きすぎて死にます。作者さん生まれてきてくれてありがとう。更新待ってます。私は作者お姉さんになります。 (2020年5月31日 2時) (レス) id: 22bb7fbe7f (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - こんにちは。更新されるたび楽しみが止まりません!いつも楽しく見させていただいています。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: 7700997db3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たたねんこ | 作成日時:2020年5月21日 2時

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