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第11話 ページ13

東京まで長旅した後の学校は本当にだるい。

5分おきにセットしたアラームも見事無意識のうちに止めまくって、
最後の最後に親に叩き起こされてやっと目を覚まし、遅刻ギリギリに家を出た。


いつもより3本くらい遅いバス。


結構やばい。


人も少ない気がするし、これもしや間に合わない時間やった…?

と、焦っていると見慣れた同じ顔のイケメンが2人乗り込んで来た。



「え、サムドイッチやん。おはよ。」



治「あ、Aおはよー。」



朝練がある彼らなら普段は絶対いないはずのこの時間のバス。



治「インハイ直後は朝練休みなんや。」



わたしが疑問になってることが顔に出ていたのか、
治がそう答えた。



へーと適当に相槌を打って、自分のスマホに目を向けた。





治とは仲良いんだけど、侑の方はあんまり喋ったことない。
2人の会話邪魔しちゃあかんなと思って気を遣ったんやけど、



侑「なぁサム、この子って角名の…?」

治「せやで。」




なんて会話が耳に入ってきてしまったので、再び2人に視線を戻した。


おい治、まさかとは思うが双子の傍に言ったのか?

私が倫太郎ファンであるということを言ったのか?




「なぁ、サムドイッチ、どういうことや?」




笑顔でゆっくりと治の方に手を置く。

バス揺れるし、吊革代わりになって丁度ええわ。




治「は、聞こえたん?!」




「聞こえとるに決まってるやろ、この距離やぞ。」




治「いやだって、スマホ見とるときって案外周りの会話聞こえへんやん…。

おいツムのせいやぞ、ツムが余計なこと聞くから!」




侑「は?!なんやねん。別にやましい会話しとったわけちゃうやん!

なあ、なんやっけ、新川さんや。

新川さんは角名のことどう思っとるん?」





ん?





「どう思ってるって…?」



いやファンやったら好きに決まってるやん。

確認なん?





侑「せや!新川さん、角名にずっと試合来て欲しいって誘われとったやろ?

ほんでやっとインハイ見に来てくれたらしいやん。
バレーしとる角名どやった??」






あれ、この感じ、私が倫太郎お姉さんやって知らん感じちゃう…?



じゃあ、さっきの、「角名の…」って何?





「スナ?うーん、かっこよかったで。」


侑「カッコ良かったん?」


「おん。」


侑「俺らよりも角名のほうがカッコよかった?」



ぐいっと詰め寄ってくる侑。

なんかしつこいな?






「当たり前や!倫太郎が一番や!」







やっちまった。

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光魚苦(プロフ) - たたちゃ〜ん!!!早く更新して★ (2020年9月4日 3時) (レス) id: c7e0cd7ffb (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新楽しみにしています! (2020年6月4日 1時) (レス) id: 6cf5a12da9 (このIDを非表示/違反報告)
すんよる(プロフ) - 本当に好きすぎて死にます。作者さん生まれてきてくれてありがとう。更新待ってます。私は作者お姉さんになります。 (2020年5月31日 2時) (レス) id: 22bb7fbe7f (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - こんにちは。更新されるたび楽しみが止まりません!いつも楽しく見させていただいています。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: 7700997db3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たたねんこ | 作成日時:2020年5月21日 2時

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