おにぎり宮でアルバイトするお話2【宮治】

第78話 ページ35

来ました！！土曜日。



治さんとの初デート。




デートといっても、行くのはバレー観戦。




MSBY対EJPのチケットを2枚ほど貰ったんだとか。
しかもSS席とかいう超良いところ。

流石、身内。




治『Aちゃんマネージャーやってたんやったら見るのとか嫌いやないよな…？
強いスパイクとか見るとスカッとするやん、気晴らし行こや！』


私が就活で疲れ切っているのも組んで、歩き回るようなデートにしなかったのかな。

なんていう治さんの気遣いにキュンとした。





もちろんバレー見るのは大好きです。



それに、侑さんや、角名さん、知っている人が打ち当たるなんて見ものじゃないか。




就活面接、ヒールで駆け回るのに疲れてしまったので、今日はぺったんこパンプスに、ふんわりとしたフレアスカート。
綺麗めなトップスを着て茶色い柄ベルトを締める。


治さんは私より年上だから…とか考え、いつもより大人っぽい格好をしてみる。



早起きしたので、メイクも髪型もバッチリ。



鏡の前で一回転して、

「よし、完璧！」



家の扉を開けた。







今日はいい天気だ。





空を見上げながら家の前で待っていると、ブーン…と一台の車が止まる。




治「ごめん、Aちゃん、待った？」


「全然待ってません！！！」


治「そか、良かった！乗りや！」





そう、今日はなんと治さんが1日運転してくれるだとか。


治「これツムの車やけどな！」


なんて、ハンドル片手に隣で笑う治さん。






かっこよすぎる。





初めてみる彼の私服。





袖に刺繍の入ったロンティーを腕まくりし、
下は無難に黒いジーパン。

首から下げるネックレスもオシャレだ。



ちょっと待って。






「ぁぁぁぁぁ…」





治「およっ！？どうしたん？！」





治さんがカッコ良すぎてしんどいです…。








・







・








治「やっぱ人気やなぁ、人多っ！」


「ほんと、混んでますね、あ、サンドイッチ売ってる。」



治「あ、せや、Aちゃんコレ。」




そう言って治さんに首からふわりと何かを掛けられる。



「関係者…？」



治「せや！これ持っとけば、この会場ほぼどこでも入れんで！おまけに待遇も最強や！」


治「まぁ、今日は観戦しに来たんやし、上行ってのんびりしよや！」


そう言って私の手をとり微笑む治さん。





「はいっ！」




その大きな手を、ぎゅっと握り返し、私も治さんの笑い掛けた。

第79話→←第77話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す