第59話 ページ16
時間の流れは早いもので、
気づけば2回生になっていた。
4月とはいえまだ少し肌寒い。
今年も変わらず桜は綺麗に咲いているようで、そのうちお花見したいな、なんて思っていた。
今回は予定が合わず、私は行けなかったのだが、
おにぎり宮はお花見会場へ出店もあったとか。
大学生も、新学期に向けていろんな準備をする中、
私は春になる前、冬の間に極めたことがある。
「私、おでん作るの得意になったんですよー！」
治「おでん！ええやん！」
今日も大学が終わった後におにぎり宮働く。
去年に比べたら平日は少しお客さんが少なくなった辺りだった。
治「Aちゃんのおでん食いたい。」
食べ物のことになると、どの話にも食いつく治さん。
もしかしたら食べたいなんて言われるなとか思ってた。
しかし、1年間一人暮らしをして自炊していたとはいえ、そんな人に食べさせられるほど料理が得意なわけではない。
「でも、私、そんな治さんみたいに調理師の資格とか持ってないし、冬に自分のご飯用にでしか作ってないので…！」
治「この通りやっ！Aちゃんが作るんや！うまいに決まっとる！！」
そう言い顔の前で手を合わせる治さん。
そういえば前、侑さんが『サムはなんでもうまそうに食ってくれる！』なんて言ってたのを思い出した。
治さんになら食べてもらってもいいかもしれない。
なんならもっと美味しく作れるように、教えてほしい。
「分かりました！その代わり、美味しくなるアドバイスしてくださいね！」
治「もちろんや！」
そうと決まれば行動が早い治さん。
平日でお客さんは少なかったりで、少しだけ早く店を閉めた。
治「ほんならAちゃん、おでん作ってや！」
具材も調味料も、飲食店なのだから当然揃っている。
今日の夜、私も治さんも時間があったのだ。
そんなすぐに作れないと最初は断ったものの、
私が作っている間、仕込みやらホームページ管理やら、仕事してるから、と丸められてしまって今日になった。
まあ、治さんとご飯食べられるのならいいかな。
なんでも幸せそうに食べる治さんと一緒だと、私も普段の倍くらい美味しく感じるのだ。
仕込み作業をする治さんの隣で私も料理を始めた。
煮込む時間を考えて、営業中でも治さんがいいよと言ってくれたので、
昆布から出汁をとったり、野菜を入れたりとしていた。
だからそんなに時間はかからなさそう。
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ちかな(プロフ) - とても良かったです…素晴らしいお話でした！！！よろしければ番外編も見たいのでパスワード教えていただいてもいいでしょうか？あの続きを読みたいです！！ (6月6日 11時) (
レス) id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ごま吉(プロフ) - 凄く面白いです！ですが68話のところ名前が(がないせいで変換されてないのが気になりました……！) (2021年11月10日 11時) (レス) @page25 id: 162c50cd7b (このIDを非表示/違反報告)
ayee(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです！ パスワード教えてください。お願いします！ (2021年9月4日 9時) (レス) id: 3db7910b34 (このIDを非表示/違反報告)
えるる(プロフ) - 治ぅ…幸せになってよかったです！素敵でした！番外編私も見たいのでパスワード知りたいです。。ご検討お願いします (2021年8月28日 2時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
もちーず - あの、番外編短編集のパスワードを教えて欲しいです。身勝手な願いですが、お願いします！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: abd0311f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたねんこ | 作成日時：2020年5月1日 12時
