5話 ページ9
今日も音楽室に向かう為、蒸し暑い廊下を歩く
今日は雨。外で部活が出来ない奴らが校内を走り込みに使っているせいで人口密度が上がって余計に暑く感じる。汗のせいで湿度も上がって最悪だ
音楽室に近づくにつれ大きくなるその音色。最初は切なげだが、徐々に盛り上がりを見せるその曲
花弁がひらひらと舞い踊るような優雅さ。そしてその儚さを謳い、語り、訴え掛けるような力強さを兼ね備える
そう、その曲の名前は
『【Flower Dance】…』
扉を開けて曲名を口にする。視界に入ったのはこちらを見るbroooockと、隣に立つもう1人
『…?』
「あ、来た来た。ほら見て、また当てられた」
「ほんとだ。そういうゲームしてるの?」
「そんな感じ?ほら、Aこっちこっち」
broooockと同じタイミングでこちらを見たそいつは運動部だろうか。学校指定の青いジャージを着ている、確か同級生だったはずだ
broooockに手招きされ、事態が飲み込めないまま一先ず2人の元まで歩み寄る
「この人、僕のゲーム友達兼同じ部活のきんさん…じゃなくて、きんとき」
「えっと…A、だっけ?」
『あぁ…broooockの友達なのか』
「そうそう。今日は雨で部活休みみたいだから」
『broooockがふらっと教室出てくからどこ行くのかなって着いてきたんだよ。そしたらここで、ちょうどさっきAのこと聞いてさ』
『なるほどな』
ゲーム友達。同じ部活。共通点があると仲良くなりやすいのはわかるが、それにしても不思議だ
話し方も何もかも、『普通』なきんとき。それが変人の代表格みたいなbroooockと仲良くなるなんて、余程何かきっかけがあったのだろうか
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エメグリライ(プロフ) - 綺麗で儚くてそれでも楽しくて面白い、宰さんの作品が好きです。(告白みたいですみません。感想そのまま書いたらこうなりました。) (2021年12月25日 9時) (レス) @page1 id: 2c3be79f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宰(つかさ) | 作成日時:2021年7月25日 0時