3話 ページ6
放課後、廊下を歩くと聞こえてくるピアノの音色
それは昨日とは違う曲。なのに、まるで狙ったかのように俺の記憶を揺さぶってくる
『また明日』とはやはりそういう意味だったのか。俺の足は再び音楽室へと向かう
『…【The heart's tale】』
扉を開けてその曲の名前を口にする。その瞬間、ピアノの音色は止まる
「正解〜」
座ったままくるりとこちらを向くbroooock。ここまでは昨日と同じだが、1つ違うことといえば俺が早々にbroooockの元まで歩み寄ったことだろうか
「やっぱり結構ピアノ好きでしょ?」
『別に弾けるわけでもないし、聴いてたから自然と覚えただけだよ』
「訳すると『心の物語』。いいよね」
自分から質問を投げ掛けてきた割にはすぐに違う話題に飛ぶ。何となくわかってはいたがこいつはとんでもなくマイペースなようだ
「でもでも〜、本当に聴いてただけ?これ結構マイナーな曲だから知ってる人少ないと思うんだけど」
『…何で変に感がいいんだよ』
「あはは、わかんない。けど気になるから」
小さい頃の話だし、堂々と語るような過去でもない。それでもきっとこれは『何かの縁』というやつなんだろう
それを話そうと決めるのに、そう時間はかからなかった
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エメグリライ(プロフ) - 綺麗で儚くてそれでも楽しくて面白い、宰さんの作品が好きです。(告白みたいですみません。感想そのまま書いたらこうなりました。) (2021年12月25日 9時) (レス) @page1 id: 2c3be79f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宰(つかさ) | 作成日時:2021年7月25日 0時