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「か、からかわないで、」


「揶揄ってないよ。可愛くて、つい。」



…この人、完全に女慣れしている。きっとこうやって甘い言葉を落としては何人もの女を彼の虜にさせているのだろう。私と同じように、「そういう」関係の人がきっと沢山居て、私もそのうちの1人にしかすぎないのだけれど、私は絶対に、都合の良い女にはなりたくなかった。寧ろ、彼とはこれ以上関わりたくなかったのだ。



「…侑たち待ってるから、私いくね、」



逃げるようにその場から去ろうと足を早める私を、一瞥した彼の目がぎらりと輝ったような気がした。これ以上彼と一緒にいてはいけない。私の直感がそう言っている。



「A!はよボール出ししてくれ!!」


「…うん」



体育館に足を踏み入れるなりそう声を掛ける侑を他所に、私の隣に来た治が首を傾げながら顔を覗き込む。



「どしたん、今日元気ないやん、」


「…そ、そう?」



顔を顰める治から即座に目を逸らし、苦笑いを零す私を不審に思ったのか。彼が何か言葉を洩らそうと口を開いた瞬間、それを遮るように「…っ早く練習しよ!!!」といつもより大きな声で言葉を紡ぐ。


「……」


隣で私をじっと見つめる治を他所に、侑と積極的に自主練をする私は、角名くんのことで頭がいっぱいだった。




「もう9時になるから自主錬おわり!!帰るよ!」



いつの間にか時計の針は進んでいて、小腹も空いて来た頃に私がそう声を掛ければ「腹減ったー!!」と侑がそそくさとストレッチを始める。それを横目に見ながら片付けをする私の元に、再び治が近付き、真面目な表情を落とした。



「お前、角名となんかあったやろ」




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CAORU(プロフ) - あぁめっちゃいいです好きです大好きです (3月27日 0時) (レス) id: 649305057b (このIDを非表示/違反報告)
なめくじ - こんにちは!神作すぎます!続きが気になる‥ (3月26日 15時) (レス) @page5 id: 14ee6c9b6d (このIDを非表示/違反報告)
ささささな - こんにちは!こんな素敵な作品に出会えて嬉しいです。更新頑張ってください!応援しています。 (3月26日 11時) (レス) @page5 id: 2cec29415a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 初めまして、いや、すごいです!めっちゃおもろいです!角名のこういった作品はなかなかないので、読めて嬉しいです笑 ありがとうございます。更新頑張ってください! (3月26日 8時) (レス) @page5 id: 153e42c66a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七星 | 作成日時:2024年3月26日 1時

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