夜へ駆けろ ページ26
彼とゆっくり歩いている中沢山の話をした。12年前の事、梵天の皆の事、彼が私の事を好きだった事。
沢山の話をした二人だけの世界が心地よかった。
途中で春千夜からの電話でマイキーが彼と話していた。その後私の手を再び握るととあるボウリング場へと足を運んでいった。
「Aは先に上に上がってて」
「わかった」
私は彼の言う通り屋上へと続く階段を駆け上がって行った。屋上へ行き下が見えるすぐそこまで立った時下にいる人間達が私を見て騒ぎ立てる。その中に春千夜は私の姿を見て酷く焦っている様子だった
瞬時、建物内から一つの銃声が響き渡る。
マイキーが誰かを殺したのだろうか、少なくとも私に殺させないよう配慮してくれたのだと思うと悲しみより嬉しさがこみ上げる。
するとポケットに入れていたスマホが揺れ着信音が鳴り響いた。電話先を確認するとその相手は春千夜で少し迷った私は何秒かしてからその電話へと出る。
「……はい」
「Aっっ!!オマエ早く降りてこい!!」
「…春千夜」
彼は酷く焦っている様子で私の事を止めようとしたがもう迷うことなんて無かった。
「春千夜、私」
「っあぁ!?」
「…誰かを愛せてよかった」
「っ!オイ!Aやめろっっ!!!」
「ありがとう」
私は最後にそう言い携帯の奥で叫ぶ彼を無視して電話を切る。
「A」
後ろから彼が私に声をかける。
彼も私と同じ場所に足を運んで行くと下にいる人達が更に混乱の声を上げる。私達は手を繋ぎお互いの額をくっつけ合った。
「……A」
「オレオマエと出逢えて良かった」
「…私も」
「オレがこれからもずっと一緒にいるから…」
「だから、」
「オレにずっと愛されて」
そう言う彼はとても綺麗だった。風に吹かれてなびく彼の白髪が夜の月に照らされた。彼の言葉に涙が止まらない私は彼にそっとキスを落とす。
彼の愛はただひたすらに真っ直ぐだった
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青澄*aosumi(プロフ) - うぁぁぁぁ最後めっさ泣きました!ホント素敵な小説だと思います!これからも楽しみにしています!!! (2021年11月29日 15時) (レス) @page28 id: 07f147eb25 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 初めて小説で泣きました (2021年9月4日 1時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 凄くおもしろかったです!1パートで綺麗に終わっていて凄いと思います!レモンさんの作ったマイキーくんの小説、楽しみにしてますね!応援してます♪ (2021年8月7日 23時) (レス) id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ユイさん» 励みになりますありがとうございます!! (2021年8月4日 23時) (レス) id: e312b1bdb8 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 好き好き好き好き!!それしか言えない。、、、 (2021年8月4日 2時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レモン | 作成日時:2021年7月12日 0時