そして彼女は ページ20
そのまま勢い良くバイクを走らせるとふとドラケンのバイクを見つけ、私はバイクをその場で投げ捨てるようにして降りた。
途中でドラケンと半間を見つけたが私に止まるように叫ぶ彼を無視して突き進んで行った。
「なんでだ！！？こんなにも愛しているのになぜ橘日向は振り向かない！？」
「もっと早く殺すべきだった！！！」
稀咲の怒鳴り声が聞こえ小さな駐車場へと足を運ぶと武道が稀咲に銃口を向けていた。
「タケミチ君！！！！」
そこにヒナとマイキーが到着し、その言葉に怯んだ武道は一気に気を取られ、その隙に稀咲が逃げようとしていた。
「稀咲！！！」
武道が彼にそう叫ぶ。その瞬間、一つの銃声がその場にいた全員が耳にする。
辺りが唖然とする中倒れた稀咲の目の前にはAが立っていた。
「Aっ！！！」
「桜Aっ！！？」
血を流す稀咲に同情することなく冷たい光のない瞳で彼を見下ろすAを誰も止められなかった
「…ここで裏切るのかっ…」
何を言い出すかと思えばこの男は。そもそもはじめに裏切ってきたのはそっちであって私の親友を殺したのもコイツだ。私は虫酸が走る思いで顔を顰める。
「私と貴方は同じだね」
「…はぁっ！？」
「最低で最悪でどうしようもない人間ってこと」
「…くそイカレ野郎が」
「……死ね」
私はそう言うともう一発、もう二発、三発、分からないほどに彼を撃ち続けた。
「もういい！！Aちゃん！辞めてくれ！！」
私を止めようとするタケミっち、惨い光景に口を抑えるヒナちゃん。…ああ、ヒナちゃんとはもうちょっと仲良くなりたかったな。だがもう無理らしい。
私の衝動は誰も止められなかった。
「……A」
何発か撃ち込んだ後マイキーがこちらへと静かに歩み寄って来る。
「…来ないで、殺す」
完全に興奮状態で目が血走っている私を彼は悲痛の顔で見つめる。返り血を浴びたせいで服も顔も心も、何もかもぐちゃぐちゃでもう戻れなかった。
「A」
マイキーは私を強く強く抱き締めた。その確かな温もりに目を見開く私は時期に目から涙が溢れ彼の服を必死に握り締める。
「……オレがずっと一緒に居るから」
「だから…」
この先の言葉は今でも思い出せない
私はあの時初めてこの手で人を殺し人を絶望させ人を泣かせた。そんな最低な私は感情を失ったただの人形へと化していった
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青澄＊aosumi(プロフ) - うぁぁぁぁ最後めっさ泣きました！ホント素敵な小説だと思います！これからも楽しみにしています！！！ (2021年11月29日 15時) (
レス) @page28 id: 07f147eb25 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 初めて小説で泣きました (2021年9月4日 1時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 凄くおもしろかったです！１パートで綺麗に終わっていて凄いと思います！レモンさんの作ったマイキーくんの小説、楽しみにしてますね！応援してます♪ (2021年8月7日 23時) (レス) id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ユイさん» 励みになりますありがとうございます！！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: e312b1bdb8 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 好き好き好き好き！！それしか言えない。、、、 (2021年8月4日 2時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2021年7月12日 0時
