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絶望を君に ページ17

「…くそっアイツ!」

私は酷く焦りすぐに武道の元へ向かおうとするが九井に腹辺りに腕を回されそれを阻止される。

「行くな!!オマエまで行ったら死ぬぞ!」

「……離して」

「オイ!なんだよソレ、ガキの喧嘩だろ!?」

…アイツは本気で人を殺す。それを把握している私は九井の腕の中で暴れながら抵抗をするも男の力には勝てなかった。

「稀咲お前何ビビってんだよ」

刹那、稀咲は武道の足に銃を撃ち落とした。

「タケミっち!!!」

「オレにはマイキー君みてぇなカリスマもねぇ」

「ナオトみてぇに賢くもねぇしココ君みたいに器用でもない」

「オレにできる事は一つ!!死んでも諦めねぇ事だ!!」

やってみろ、と力強く迷いのない目で言う彼に涙が出そうになる。少し怯んだ稀咲に追い討ちを掛けるように武道は言葉紡ぐ。

「簡単だろ?」

「エマちゃんを殺したように」

「……え?」

今、なんて言った?エマが?殺す?誰が?
…その言葉の意味が分からなくて酷くパニックになった私は一気に呼吸が浅くなる。

「オイ、A!大丈夫か!?」

ココが私へとそう呼びかけ身体を支えるが息ができない。稀咲と武道達が言い合いをする中私1人だけがその状況に着いていけなかった。目の前にいるココの服を必死に掴み涙が溢れそうになる目で彼を見つめる。

「……教えて、エマはっ……エマは!?」

「っ…」

腕の中にいる感情的な私を見て言葉が詰まる彼はどう説明すればいいのか分からないような表情だった。

「ねぇっ…!!だからマイキーもドラケンも居ないの!?お願いっ…お願い……嘘だって言って…っ」


その場で泣き崩れる私を見て悲痛な表情になる彼に縋るように絶望を噛み締める私を誰も助けてはくれなかった。絶望、憎悪、憎悪、裏切られた事なんでどうでもよかった。今はただ、目の前にいる憎いほど最悪な彼を殺したい。

衝動→←黒川イザナ



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青澄*aosumi(プロフ) - うぁぁぁぁ最後めっさ泣きました!ホント素敵な小説だと思います!これからも楽しみにしています!!! (2021年11月29日 15時) (レス) @page28 id: 07f147eb25 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めて小説で泣きました (2021年9月4日 1時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 凄くおもしろかったです!1パートで綺麗に終わっていて凄いと思います!レモンさんの作ったマイキーくんの小説、楽しみにしてますね!応援してます♪ (2021年8月7日 23時) (レス) id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ユイさん» 励みになりますありがとうございます!! (2021年8月4日 23時) (レス) id: e312b1bdb8 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 好き好き好き好き!!それしか言えない。、、、 (2021年8月4日 2時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモン | 作成日時:2021年7月12日 0時

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