都合がいい…７ ページ8
手招きすれば、瞬時に意図を察したのか、ピザの乗った皿を手に持ったまま俺に近づいてくる
俺ら兄妹の唯一の接触。“ご褒美”という体裁のもと、俺と同じミルクティブラウンの髪に触れる
俺とは違って、内側にくるりとカールした指通りの良い髪の毛を流れに沿って撫でてやれば、頬がふにゃりと緩む
至「いい子だね、A。よく出来ました」
甘く甘く、アメを与える時は飛び切り甘ったるく…。アメとムチは使いよう、とは良く言ったもので…
でもきっとこの娘は俺が言うムチなんて、さほど気にしていないのだろうが…。
触り心地のいい髪から手を放し、端末を片手に持ち直し妹の持ってきたピザを黙々と食べ始める。
明日は朝から新規プロジェクトの会議があるから七時には出なければいけないことを、監督さんに伝えてなかったことを、ふと思い出す。
至「A、監督さんに明日の朝のこと伝えてきてくれる？俺は片付けしてるって体で」
「さっきピザ作りに行ってる時に伝えておいた。あと、今後は談話室にあるホワイトボードに各自帰宅時間とか書き込むようにって伝言も預かってる」
至「なる、了解。取り敢えず今日はもう寝ていいよ。Aも明日学校でしょ」
「いいの…？」
至「うん、ドロしたからそんなに起きて無くても平気になったから」
「…わかった、それじゃ明日は6時に声かけるね」
至「ん、よろー」
「それじゃ、おやすみなさい…兄さん」
前の家から、というより実家からの付き合いであるレモン色の枕を持ってロフトベッドへ上がっていく。
5分もすれば規則正しい呼吸音
風呂？んなもんとっくに入ってる。俺のお色気シーン？そんなの需要なし、ハイ没ー。
真顔で全ゲームのLPを消費すれば、繋げておいた延長コードに端末の充電器を差し込み、常夜灯にすれば、薄手の毛布をかぶって、俺も目を閉じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 452人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇしゃ猫。(プロフ) - 早く続きが見たいです...！更新頑張ってください！応援しています！ (2018年9月13日 11時) (
レス) id: 418aa0a34c (このIDを非表示/違反報告)
黛和孝(プロフ) - 琉兎(ると)さん» 神とは…！ありがとうございます！私も至神推しなので、同担の監督さん方に喜んでいただけるように頑張ります！ (2018年4月22日 13時) (レス) id: 0e3983489e (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(ると) - 作者さん神！！私、A3のキャラで至さん大好きなんです！なので更新頑張ってください！応援してます！！ (2018年4月22日 10時) (レス) id: cc5efc05e7 (このIDを非表示/違反報告)
由々しき事態 - 最近、見始めたんですけど面白いですね！今までにない感じが好きです投稿頑張ってください。楽しみに待ってますね (2017年12月26日 2時) (レス) id: a75827c69e (このIDを非表示/違反報告)
黛和孝(プロフ) - ゆっこさん» コメントありがとうございます！ご期待に添えられるよう精進していきますので、これからもよろしくお願いします！ (2017年11月19日 12時) (レス) id: 318f421777 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黛和孝
| 作成日時：2017年10月13日 21時
