ハコヅメ ~ 才色兼備の警察官 ~

二十七話　私の屍を超えて ページ28

──合図なく始まった暴漢役(藤さん)制圧。






Aさんはわかる。牧高さん…はあんまりわからないけど、私絶対無理だよ。







源「恥を忍んで言えば武器を持った聖子ちゃんの制圧には、男5人欲しいな」


山田「Aはどんなものかよくわかんないっすけど、あの２人じゃ屁の突っ張り合いにもなりませんよ」






そんな言葉を奥で言われているのにも気づかずに、私と牧高さん、それにAさんが練習用のソフト警棒を持つ。







川合「どうしましょう、牧高さんとAさん」


牧高「私たち二人は剣道の達人の藤さんにかなうはずないけど、Aさんはどうなんですか…？」


犬飼「…いやぁ、藤さんはキツイなぁ〜。だってほら、面構えからして違うじゃん」







……終わった。ロリコン(不審者)制圧したAさんがそういうなら私を待っているのは死だけだ。






普段の様子からしてかなわないのは重々承知だけど、いざ面と向かってそう言われると余計怖くなってくる。







牧高「じゃあこれはまさしく…鳥羽・伏見の戦いの幕府軍……」






って牧高さんが言ってたけどちょっと何言ってるかわからない。






二人とも、私の屍を超えていってと言いながら牧高さんは声を出し、藤さんに攻撃を仕掛け、

見事に…空振りしていた。







……いや、ゲームじゃないんだから、とは思ったけど、私もああすれば早く終われるかなと思って同じようにしようと決心。






それに藤さんだったら手加減してくれそうだし…！








川合「や〜…」







と牧高さんと同じように突っ込んでいくと、警棒で何度も叩かれる。







川合「う〜、うっ、痛い！」







そんな感じで何度も叩かれ、

叩かれ終わったあとに来てくれたのはAさん。






…牧高さんは屍を超えて、なんて言ってくれてたけど、やっぱり無理だった。






犬飼「うへぇ、川合さん大丈夫？

…これ私もやるんですか？」


吉野「当たり前だ。それに三人の中じゃお前が一番慣れてるだろ」


犬飼「やっぱホットヨガでいいでしょ…」







ため息をつきつつ“こっわ…”とか言ってたけど、それっぽい感じで制圧できてて、私だけ怪我すごくない？とふと疑問に思った。

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