1. 先生と私 ページ2
６月下旬。
季節は夏前。
今日もいつものようにここに来ていた。
〜♪
A「んー・・・、やっぱあんまつかめないなぁ」
私が苦手な、低音域のリップスラーの練習。
私は田舎の学校の、小編成の吹奏楽部でホルンを担当してる。
今日は日曜日。
練習は休みなんだけど、自主練で学校に吹きに来てる。
上手くなりたいからっていうのもあるんだけど、
こう毎週のように来てるのはもう一つ理由があって・・・・。
？「お、やってるねぇ」
A「あ、先生ー」
日高「ずっとリップスラーしてんのね」
この人は日高先生。
吹奏楽部の副顧問で、学生時代からのトランペット吹きらしい。
だからホルンもまあまあ教えられるみたいで、お世話になってる。
A「うん・・、でもなかなかできないや」
日高「まーねー、そんなすぐ上手くはなんないよ(笑)」
A「まあそうだけど・・。」
日高「ま、大丈夫！Aはよく頑張ってるからすぐ上手くなるよ」
A「さっきと言ってる事違うんだけど・・」
最近自主練してるとこによく顔出してくれて、仲良くなった。
いつの間にか敬語もとっぱらっちゃってるけど、そういうことは気にしないらしい。
日高「今日ここ、気持ちいいな。はぁ〜〜、仕事疲れた〜」
言いながら伸びをする先生。
ここ、というのは校舎２階の渡り廊下で、２つの棟をつなぐ吹き抜けの場所だ。
眺めもいいし、校舎で唯一外の空間で吹けるから、
とても気に入っていて自主練をするときはいつもここに来ている。
そしていつしか先生と二人でゆったりと練習したり、話をする場になっていた。
------------------------------------------------------------------------------
補足：リップスラーとは、
本編で出てくるホルンやトランペットなどの金管楽器の特有の技法のことです。
あまりわからない方すみません(;^_^A
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つーたろ | 作成日時：2016年3月28日 15時
