フルーツ ページ35
今は司咲が最低限の荷物しか持って来ていないから狭く感じないけれど、司咲がアパートを引き払って引っ越してきたらきっと、手狭になってしまう。
「……うん」
そっと目を閉じた司咲にキスをした。頬に触れた手が優しく撫でてくれていた。それが気持ちよくて、嬉しかった。
「大好き」
唇を吸うように司咲の唇にキスをして、つばさは囁いた。頬を真っ赤にして俯く司咲がかわいくて、また唇に吸い付いた。何度もしているのに、慣れない彼女が愛おしくて、華奢な体を抱きしめた。
「…恥ずかしい」
そう言って抱きしめ返された。司咲の長い髪を撫でると、頭を引き寄せて唇を重ねた。目を閉じた司咲の頬を撫でて唇を離した。
「かわいい」
胸に顔を埋めた司咲はつばさの服を掴んだ。
「…いちご、食べたい」
「ん？」
「30日、いちご食べたい」
「分かった。いちご用意しておくよ」
「あと、桃とりんごとキウイとパイナップルとミカンとさくらんぼと…」
「ストップ！待って！」
顔を上げて笑顔でそう言う司咲をつばさは慌てて止めた。
「多いよ。そんなに食べられないでしょ」
「…冗談よ。半分ね」
「…少しずつなら食べられるかな」
「……冗談よ」
「でも、食べたいんでしょ？だったら買ってくるよ」
つばさの手が頬に触れて、優しいキスが唇に落とされた。
「どうせなら、生クリームで挟んでフルーツケーキ作る？」
「つばさくん、作ってくれるの？嬉しい」
「司咲のためならなんだって作るよ」
そっと髪を撫でると、つばさは司咲に顔を近付けた。至近距離で微笑むと、司咲は照れたように視線を下げると両手をつばさの首に回すと、唇を重ねた。目を閉じたつばさの口角が嬉しそうに上がった。
そっと唇を吸うと、司咲の腕がピクリと震えた。唇を離すと、角度を変えてキスをした。
「かわいい」
唇を離すと、真っ赤な頬が視界に入ってたまらずに抱きしめた。
「好き」
司咲の腕がつばさの背中に回されて、愛おしくてそっとソファに押し倒した。
「…我慢できない」
「しなくていいよ」
司咲の手がつばさの手に触れた。手首を掴むと腹に触れさせた。
「ねぇ、つばさくん。…あ…い…してる」
司咲の腕がつばさの腰に絡みついて、深くキスをした。素肌に触れるつばさの手が胸に到達して、声が漏れた。体をまさぐるつばさの手が嬉しくて、気持ち良かった。
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作者名：星ノ宮昴 | 作成日時：2022年3月16日 12時
