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デート ページ15

1回目も今回もちゃんと避妊をしてくれる彼の優しさに幸せを感じた。首筋に手をやると、微笑んだ。変色した肌の色が嬉しかった。

「寒…」

服は着ていたけれど、寒さに身を震わせた。服を着た記憶はないから、目を覚ましたつばさが着せてくれたのだろう。つばさもしっかりと服を着ていた。

布団を整えて、司咲はつばさの腕の中に潜り込んだ。つばさの腕の中は温かくて落ち着く。寝ているつばさの唇にキスをすると、司咲は彼の肩に頭を埋めてまた寝はじめた。太陽はまだ昇っていない。

つばさの寝息を聞いていると、次第に司咲も夢の中へと誘われた。



出勤すると、瑞稀と朱音に心配そうに声をかけられた。挨拶をして、大丈夫だと笑えば彼女たちも笑ってくれた。

「仲直りできた?」

「はい!」

「なんか、かわいくなった?」

「え?」

瑞稀の言葉に司咲は目をパチパチと瞬かせた。

「分かる!もともとかわいかったけど、なんか…大人になった感じ?」

「つばさくんと何かあったよね?」

「え…と」

問い詰められて、目を逸らしながら司咲は頬を染めた。

「つ、……付き合いました」

「やっとか!…でも、それだけじゃないわね?」

司咲は瑞稀から逃げるように目を逸らして、ロッカールームへと走った。

「あ、逃げた」

荷物を投げるように入れると、顔を覆った。ギリギリシャツで隠れたキスマークを隠すように服を整えた。トン、と肩に瑞稀の手が置かれた。

「やっぱり、抱かれたのね」

何故か言い当てられて瑞稀を振り返った。

「司咲ちゃん、分かりやすいのよね」

後ろで朱音が頷いているのが見えた。恥ずかしくて顔を真っ赤にした司咲は逃げ道を探した。

「かわいい」

ぎゅっと2人に抱きしめられて、司咲は慌てた。

「と、いうわけで」

「……何が、というわけで、なんですか」

「デートしましょうか。3人で、今夜」

「えっ」

「つばさくんと約束してる?」

「……特に」

「じゃあ決まり!楽しみね」

ふふふ、と楽しそうに出て行った彼女たちを見て、司咲は一気に疲れてしまった。絶対、口を割らされると思いながら、断ることはできなかった。

ため息をついて、けれど嬉しそうに司咲はロッカールームを出た。休みすぎたのか、非日常から日常に帰ってきたような気分だった。

ぞっこん→←証



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作者名:星ノ宮昴 | 作成日時:2022年3月16日 12時

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