小さな君の成長日記【WT】 (ページ8)

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幼い君の学校生活/小学生編ページ8

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今日は俺と椿が出会ってから三年以上も経った日。
喧嘩はあまりしなかった。でも、笑いあうこともあまりなかった。
椿は自分の感情よりも相手の感情を優先してしまうから。
それについて、俺らは悩んだ。良いことだけど、いずれ椿の心を壊してしまうかもしれないから。

でも、そんなことも乗り越えられたからこそ。
小学４年生という、人生でたった一度しかない１年間を楽しんで欲しいと思う。

「椿、何組だった？」

帰宅して、紫色のランドセルを降ろした椿に問いかける。
椿は、困った時はすぐに俺に聞こうとする。ランドセルの色も、困って俺に聞いた結果が反映されていた。そのため、ランドセルを見るといつも同じことが脳裏に浮かんでしまう。
それは別に構わないと思っていたが、Nakamuやきりやんが将来が心配だと言っていた。

「将来もスマイルがいないと生きてけないとか言われたどうすんの？」

「別にいいけど」

「うわあ、お前、ええ…」

ドン引きだとでも言いたげな２人の顔が浮かんで、思わず鼻で笑ってしまった。
そんな会話をしたこともあったな、と脳裏に思い浮かべながら椿の返事を待つ。

『え……わかんない。あんまり興味ない。』

「…そうか」

椿は本当に自分に対して興味が無い。保育園の頃は本当に手間取った。
それは参観日の事。だが、この話をすると椿はいつもつまらなそうにするから、また後にしよう。

クラスを聞いても「わからない」だけが返ってくる。そんなことが３回もあったから、もう慣れてしまっている自分がいる。

「今日はどんな授業をしたんだ？」

俺はいつも、決まってこの質問をする。別に俺が毎日しようとしたわけじゃない。
BroooockとNakamu、そしてきんときの３人が俺に向かって言ったのだ。

「流石に会話しないのはやばい」

「マジで馬鹿。ここまでスマイルが馬鹿だとは思わなかった。」

「そんなヤバくないと思う」

「ヤベぇんだよ。１週間業務連絡以外しない兄妹は」

Broooock、Nakamu、きんときの順で俺に向かって言う。
またしてもドン引きだと言いたげな顔をされたのをよく覚えている。

『授業…んと…１時間目が始業式、２時間目が算数、３時間目が体育、４時間目が英語、５時間目が理科』

椿に質問をすると１００返ってくる。なんでも、いちいち聞き直されるのが面倒らしい。
だから簡潔に説明して、聞き直してくる奴の声は知らんぷり。

そんなところも俺に似たのか。

俺は少し複雑な気持ちになった。

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