小さな君の成長日記【WT】 (ページ3)

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衝撃の電話から２日後。今日は配信も撮影も無い暇な日だ。
俺はあれから毎日、といっても２日間だけだが、かなりあの少女について長考していた。

「…電話するか。」

２日間、今まで考えてきたのはあの電話にもう一度掛けなおすことだった。
一度電話を掛けられたのだから、こちら側から掛けても大丈夫だろう。
俺は自分の携帯を手に取り、親戚のおばさんに電話を掛けた。

プルルル、プルルル…。

ガチャ、という音で電話を取られた音がした。すると、大人びた女性の声が聞こえた。
やはり、あの少女は親戚のおばさんとは赤の他人だったのか。
俺は電話越しの人物に応答する。

「もしもし。スマイルです。」

幼い頃に親戚の人に呼ばれていた渾名で出ると、女性は納得したように声を出した。

「ああ、スマイル君？丁度良かった。今からかけようとしていたのよ。」

「はあ」

「それで、どうかしたの？」

「嗚呼…２日前、小さな女の子が俺の電話に掛けてきたんです。…なにかあったんですか？」

「あ、椿ちゃんのこと？それがね…つい２日前、事故で亡くなってしまったの。」

「事故…」

そういえば、あの少女は事故で母親が轢かれたと電話してきたな。
俺はしばらく考え込み、もう一度口を開いた。

「その女の子って、今どうなってますか？」

「今？今はねぇ…椿ちゃん、お母さんと２人で暮らしてたし、親戚もいないしでもう宙ぶらりん。後数週間立っても引き取り先が居なかったら、多分あの子は施設に…」

「なら、俺が引き取ります。」

「…へ？」

つい、とっさに口から出た。俺自身も、よくわかっていなかった。ただ、本当に思わず出た。
小さな子だし、可愛そうだし、と俺は自分に言い訳をした。
らしくないな、と頭の隅で俺は自分自身を笑った。

「電話を掛けられたのと、普通にその子の母親とは仲が良かったので。」

「そ、そう！わかったわ！椿ちゃんに知らせなきゃね！わかった、ありがとうね！」

「はい。」

さて、これから小さな女の子を迎えるための準備でもしようか。

俺は上着を羽織り、家を出た。

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