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「とりあえず…ここ寒いし、中入ろっか」なんて
感動の再会もそこそこに差し出された手。
その手を取ると確かに寒さのせいで冷えてて
寒いの感じるんだ…って思った。
そりゃ、そうだよ。
ジャケット忘れたんだから。
『これ、カフェに忘れてた』
「あ、だから寒かったんだ。
まだ慣れなくてさ、たまに着るの忘れちゃう」
『ふふっ、そっか…』
「届けてくれてありがとう」
『…うん、ありがとう』
「ん?」
私の"ありがとう"を不思議に思ってたみたいだけど
なつきが忘れてくれたからまた会えたんだよ…
ジャケットを羽織ってから
チャペルの扉に手を掛ける。
ちょっと面白がって
自分の部屋をイメージしてみたけど
扉を開けた先はちゃんとチャペル。
本当に力はないんだね。
隣に座ったなつきは「あったかいね」って笑うけど
私も、人間ななつきにまだ慣れない。
.
「はい、聞きたいこと全部聞くよ」
『…ふふっ』
「え?笑うとこ?」
『もう心は読めないんでしょ?
なのにお見通しだなって思って』
「顔に書いてあるからね」
『じゃあ、当ててみて』
「そうだなぁ…」
『いつ人間になったの?』
「当ててって言ったじゃん」
『いつから探してくれてた?』
「人間になってすぐかな?夏くらいから」
『そうだったんだ』
「めちゃくちゃ探したんだけど、全然いなくてさ」
『呑気にカフェでお茶してるから』
「なんで知ってんの?
いや、人のこと言えないでしょ。笑」
『…呑気ではないもん。ずっと考えてた』
「ふふっ、僕も考えてたよ。
それにそのおかげでまた会えた」
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なな(プロフ) - 太陽サンサンなつなつさんさん» もったいないくらいの素敵なコメントありがとうございます!そんな風に色々考えて読んでいただけて私の方が感謝です😭もう読んでくださってるかもしれませんが、If Destinyでその後を更新してるのでよければそちらもぜひ☺️本当にありがとうございます! (10月5日 20時) (レス) id: ecac200247 (このIDを非表示/違反報告)
太陽サンサンなつなつさん - 読み終えた私のこの心情を上手く言葉にできない事がもどかしいのですが、ななさん、当たり前に感じてしまうが、本当は尊い筈のこの毎日を抱きしめたくなる、こんな胸を締め付けられて、でも温かい気持ち日になる素敵なお話を綴って下さり、本当にありがとうございます。 (10月5日 0時) (レス) id: 306747e438 (このIDを非表示/違反報告)
太陽サンサンなつなつさん - ただただ涙を零し、展開によっては、やった!なんで!?と一喜一憂をしながら読み続けていました。この世界にはきっとどこかでこの御三方のように、一生懸命に闘っておられる方もおられるんでしょうね。どうか、どうか救われる結末であってほしいものです…。 (10月5日 0時) (レス) id: 306747e438 (このIDを非表示/違反報告)
太陽サンサンなつなつさん - お使いさん、あしながさんは一体どんな存在なんだろうと拝読しながらずーっと推理していたのですが、本当にまさかでした(;_;)私の中では皆救われたんじゃないかなと思う一方でやっぱり切なくもあり、堀さん、澤さん、世界さんをみると勝手に込み上げてきそうです(;_; (10月5日 0時) (レス) @page50 id: 306747e438 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - naaana425さん» コメントありがとうございます!こんな一小説でそんな風に思っていただけて嬉しいです!深く考えず書いてたのでもったいない言葉過ぎます!こちらこそ本当にありがとうございます! (2021年7月28日 22時) (レス) id: 2f6d0c373f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2021年1月2日 22時