みっつめ ページ9
次に目を開けた時、目の前にいたのは…
.
.
『…あしながさん?』
.
「うん…大丈夫そうだね」
『え?何が?』
「A…」
『ん?』
「帰ろっか」
まだはっきりしない頭で
名前教えたっけ?どこに帰るの?なんて考えた。
なんだかすごく遠くに行ってた感覚で
よく分かんないけどぼーっとする…
そんな私の手を引いて
あしながさんはチャペルの扉の前で立ち止まる。
そして…
「A、またね」
振り返って笑った"なっちゃん"
.
なっちゃん…?
あしながさん…?
ねぇ、なっちゃん…
消えてないの…
覚えてる…
時間がないから、もう力を失うから、
先に思い出させてくれたんだろうけど
消すのは時間も力も足りなかったのかも。
ペナルティっていうのがもう始まってた?
でも私が覚えてたらなっちゃんは辛いよね。
だから忘れたフリをするのが
唯一私がなっちゃんに出来ることだと思った。
.
扉を開くように促されて手を掛けたけど
躊躇ってしまう。
無理だって分かってても
一緒に来てほしいから…
本当にこれで終わってしまうから…
俯いて動かない私を見たなっちゃんは
自分の手を重ねて扉を開けた。
「…A、行って」
『……なっちゃ…ん』
忘れたフリするって決めたのに
振り返って、思わず呼んでしまった名前。
なっちゃんは一瞬驚いたけど
そのまま戸惑う背中を軽く押され、
もう戻れなかった。
.
「"絶対なつきと幸せになって"」
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なな(プロフ) - 太陽サンサンなつなつさんさん» もったいないくらいの素敵なコメントありがとうございます!そんな風に色々考えて読んでいただけて私の方が感謝です😭もう読んでくださってるかもしれませんが、If Destinyでその後を更新してるのでよければそちらもぜひ☺️本当にありがとうございます! (10月5日 20時) (レス) id: ecac200247 (このIDを非表示/違反報告)
太陽サンサンなつなつさん - 読み終えた私のこの心情を上手く言葉にできない事がもどかしいのですが、ななさん、当たり前に感じてしまうが、本当は尊い筈のこの毎日を抱きしめたくなる、こんな胸を締め付けられて、でも温かい気持ち日になる素敵なお話を綴って下さり、本当にありがとうございます。 (10月5日 0時) (レス) id: 306747e438 (このIDを非表示/違反報告)
太陽サンサンなつなつさん - ただただ涙を零し、展開によっては、やった!なんで!?と一喜一憂をしながら読み続けていました。この世界にはきっとどこかでこの御三方のように、一生懸命に闘っておられる方もおられるんでしょうね。どうか、どうか救われる結末であってほしいものです…。 (10月5日 0時) (レス) id: 306747e438 (このIDを非表示/違反報告)
太陽サンサンなつなつさん - お使いさん、あしながさんは一体どんな存在なんだろうと拝読しながらずーっと推理していたのですが、本当にまさかでした(;_;)私の中では皆救われたんじゃないかなと思う一方でやっぱり切なくもあり、堀さん、澤さん、世界さんをみると勝手に込み上げてきそうです(;_; (10月5日 0時) (レス) @page50 id: 306747e438 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - naaana425さん» コメントありがとうございます!こんな一小説でそんな風に思っていただけて嬉しいです!深く考えず書いてたのでもったいない言葉過ぎます!こちらこそ本当にありがとうございます! (2021年7月28日 22時) (レス) id: 2f6d0c373f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2021年1月2日 22時