お兄ちゃんの本音 ページ36
大樹side
「ゆりちゃん！！Aは！？」
ゆりちゃんからAが倒れたって連絡がきて
仕事の合間に急いで病院に来た。
ロビーで待つゆりちゃんと合流する。
大「Aは？どっか悪いの？病気？」
「ううん。過労だって。今病室で寝てる」
大「過労かぁ…
ツアーもうすぐで忙しかったもんなぁ」
「朝からちょっと体調は悪そうで
今日は休んだ方がいいって言ったんだけど
聞かなくて…止めれなくてごめんなさい」
大「謝んないで。A聞かなさそうだし…
それに俺もちゃんと見てなかったから反省…」
ゆりちゃんはみんなに連絡してくるって言って
その場を離れた。
2人にしてくれたのかも。
病室に入ると静かに寝てるAがいて…
「いっぱい頑張ってたもんなぁ。
気づいてやれなくてごめん…」
少し疲れた顔。細い腕。
「こんな細い体で戦ってんだよなぁ」
髪を撫でてたら、ドアがノックされて慌ててやめる。
返事をすると病室に入ってきたのは…
黎「大樹くん！Aは！？」
慧「大丈夫なの！？」
堀「倒れたって聞いたけど」
なぜか大集合のファンタメンバー。
大「ちょっと今寝てるからしーっ。
過労だって。リハ中に倒れたらしい」
澤「過労かぁ…A最近忙しかったもんね」
ベッドを囲んでAを見守るみんなの表情とか
優しい視線を見てふと思う。
あぁ、もう俺の妹ってだけじゃないんだなぁ。
俺が守らなきゃ
俺が1番そばにいなきゃって思ってたけど
俺以外にもAを守ってくれる人がいる。
俺と同じようにAのことを
大切に思ってくれてる人が
こんなにいるんだって急に実感した。
みんなに大事にされて
みんなに愛されてる。
幸せなことだけど
ちょっと寂しかったりもするなぁ。
いつかこの手を離れて、俺の知らない人とか
もしかしたらこの中の誰かと
Aは歩いてくのかなぁって。
そんなこと考えてたら泣けてきて
みんなにバレないように下向いてたら
颯「え、大樹くん泣いてません？」
勇「まじすか？」
世「大樹どうした？」
「なんでもないし泣いてない…」
黎「え、大丈夫すか！？」
澤「黎弥、A起きちゃうよ」
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作者名：なな | 作成日時：2020年2月15日 0時
