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『なつき!』
店の前であれこれ話してると僕を呼ぶ声がして
いつもの無邪気な笑顔で笑う、
エプロン姿のAが出てきた。
手にはちょうどデイジーがあって…
「え……」
『なつき来てくれたの?
もうすぐ上がりだから……え?その人…』
人間に僕らの姿は見えないけど
僕の後ろを見て戸惑うAは
ソウタが見えてる証拠。
Aが死神を信じてるなら
きっと僕以外の死神も見えるはずだって思ったから。
『颯太?』
「え…なんで僕の名前…」
『こんなとこで何してるの?
なつきと知り合い……?
いや、でもなつきは死神だし…』
「なつきさん、これって…」
『颯太だけど、颯太じゃないよね?
顔はそっくりだけど…違う…』
覚えてないソウタですら戸惑ってるから
何かを感じてるはず。
Aも何かを察してくれたみたいで
『もうすぐ上がりだから待ってて』って店に戻った。
.
.
「なつきさん、僕に会わせたい人って
あのAって人ですか?」
「そうだよ。なんか感じた?」
「…はい。よく分かんないけど…懐かしかった」
「うん、そっか」
「なんなんですかこれ…」
「Aが来たら話すよ」
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作者名:なな | 作成日時:2021年3月17日 23時