SOAR

主導権 ページ7

慧人side





『慧人さん慧人さん』


「あ、Aさん。なんですか？」





ライブオンライン前の楽屋、
衣装に着替えたAさんがやってきた。





『ブログ用の写真を撮ってほしいんですけどぉ…』


「下手に出てもダメですよ」


『冷たっ！いつも撮ってあげてんじゃん！』


「"それはそれ、これはこれ"です」


『最近覚えた日本語？』


「ですね！使い方合ってました？」


『バッチリ！で、写真撮って？』


「しょうがないなぁ」





意気揚々と携帯を渡してきて
ポーズを取るAさんを何枚か撮影。





「撮れたよ！」


『ありがとう！チェックする！』


大「Aー！慧人ー！リハ行くよー！」


『「はーい」』





大樹くんに呼ばれて
Aさんは携帯をその辺に置いて、リハへ。





…





リハが終わって楽屋に先に入ったAさんの





『慧ちゃんふざけんな！』





僕が楽屋に入ると同時に聞こえた声。





『自撮り三昧！！』





でも僕は知ってる。

Aさんに怒られなくて済む方法を。





「あ、Aさん」


『慧人！あんたね！』


「ケータリング一緒行こ？甘いものもあったよ！」


『行く』





…






世「仲良しだねぇ」


勇「あれって仲良いんですか？笑」


堀「慧人って無自覚でAこと振り回してんよね」


澤「それ、A気づいてなさそう」


颯「確実に自分が主導権握ってるって思ってますね」


大「ていうか！もう本番前だから
ケータリング行ってる暇なんかないの！」

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