SOAR

あの日から＊ ページ45

【武者修行での思い出は？】



「フェリー船酔い事件簿」


『事件にすんな』







…








沖縄への移動日。


フェリー乗り場で、船を目の前にはしゃぐ3人。





『え！？これ乗んの！？』


大「すっげー！」


慧「でかっ！」


世「恥ずかしいから、その観光客感やめて笑」





しかも、乗ったら乗ったで





黎「大樹くんベッドどこにします？」


大「俺、どこでもいいよ」


『じゃあ、上もーらい！』


黎「俺も上がいい！」





やっぱり大はしゃぎ。


なんて楽しかったのも束の間。


数十分後には…





『うっ…気持ち悪……今すぐ降りたい…』


慧「Aさん、大丈夫？」


『無理。大丈夫じゃない…』


「とりあえず水持ってきますね。
気持ち悪くなったらトイレ駆け込むんだよ！」


『…うす』





はい、船酔い。





「Aさん、水持ってきたけど飲める？」


『ありがと…』


「背中さすった方が楽？僕いない方がいい？」


『ううん、いて…』


「落ち着くまでずっといますよ」





体はしんどかったけど
慧人がほぼ付きっきりでそばにいてくれて
気持ちはめちゃくちゃ楽だった。






…






『だから、あの日から慧人に頭が上がらない』


「めちゃめちゃ上がっちゃってますけど！？」


『え？』


「え！？」


『嘘、感謝してるよ』


「ほんとですか？ふふっ、Aさん好きです！」


『…うるさ』







.









颯「あれ、絶対照れ隠しですよね笑」


大「主導権はAと見せかけてやっぱ慧人だな」


「「ですね」」

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