SOAR

最悪 ページ35

【お互いの第一印象は？】



「『最悪』」




「おい！かぶってんだよ！」


『はぁ！？こっちのセリフだわ！』






…







言葉の通り、なっちゃんとの出会いは最悪だった。




この頃、男とか女とかに1番拘ってたのは自分で

今みたいに受け流せなかったせいで
あんなことになったんだよね。


今も受け流せてはないな。








.









それは、18の冬のこと。





「AさんAさん！」


『慧人、どうしたの？』


「次のツアーのサポートダンサーで
名古屋校からめっちゃ上手い子来るらしいですよ！
1人はAさんと同い年だって！」


『……へぇ』


「あと"なつき"くんっているらしいです！」






3人で練習のために集まってると
慧人がハイテンションでスタジオに来た。


どこで仕入れたか分からない情報を持って。




興味ない振りをしてみたけど
本当はそんなことなくて

負けず嫌いな私は会ったこともないその子に
勝手にライバル意識を持った。





「いいなぁ、Aさん。上手い人と踊れて。
今回のツアー、僕選ばれなかったから…」


『今んとこ私のがリードしてんね』


「まぁ、一歩リードもいいですけど
僕がいない間に問題起こすのもやめてくださいね」


『なんでそうなんの！？』


「夏輝くん、
Aさんのことよろしくお願いします」


「オッケー、任して」


『どういう意味！？』


「保護者ですよ。当たり前じゃないですか！」


「慧人、ちょっとバカにしすぎ笑
間違ってはないけど」


『2人して……失礼過ぎだから！』





なんで慧人が私の保護者みたいになってるわけ！？

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