SOAR

. ページ29

「僕は慧人だよ！木村慧人！」


『夏井A』


「A！オッケー！」


『…いきなり呼び捨てかよ』


「綺麗な男の子がいるなぁって思っててさ！
ずっと声かけようと思ってたんだ！」


『いや……女なんだけど…』


「え！？そうなの！？」


『分かるでしょ、だいたい』


「…たしかに、今考えたらそうだね笑
もう男の子だと思い込んじゃってたみたい」


『まぁ、男でも女でもどっちでもいいけど』


「綺麗な顔だし手も足も長いし
ダンスかっこいいし羨ましいなぁ」


『慧人も、かっこよかったよ。
曲に合わせた表情とか表現力すごいと思った』


「ほんと？見ててくれたんだ！」





自分でも意識してることを
気づいてもらえたことが本当に嬉しかった。


だから、もっと仲良くなりたくなった。





「Aは何歳？僕は13！」


『15だけど』


「年上…」


『別にいいよ、歳なんか』


「いや！でもさすがに呼び捨てはやめます！」


『敬語だし…急に他人…』





僕はもっとAさんを知りたい一心で
それを聞いたのも無意識だったんだけど…





「ねぇ、将来の夢は？」


『秒で敬語抜けんじゃん笑』


「パフォーマー？ボーカル？」


『パフォーマー』





スルーしまくる僕を見て笑ってたAさんは
真剣な表情に変わってもう1度言った。








.









『絶対TRIBEのパフォーマーとしてデビューする』





真っ直ぐな眼差しとブレない声ではっきりと。

.→←綺麗な男の子

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す