Dear Destiny ~僕が見える君と~

いつもと違うのは ページ31

ここに来るのも

TarteTatinのケーキも

お使いさんに会えるのも楽しみだけど






この階段だけどうにかなんないかな…





前々からずっと思ってた、チャペルまでの階段。

なかなかハード。






『はぁー、疲れた…でも景色いいー！』





あと一段を前に立ち止まって振り返れば
澄んだ空気と見晴らしのいい景色。


両手を広げて深呼吸してると…







「呼んだ？」







後ろから声がしてまた振り返る。








『…ふふっ、まだ呼んでないよ』


「呼ばれた気がしたんだけどなぁ」


『気のせいじゃない？』


「…そうかも」




お使いさんが私の手を取ってくれて
最後の一段を登る。




「人間は不便だね、歩くの」


『疲れるけどそんなに悪いもんじゃないよ』


「じゃあ今度一緒に登る」


『珍しい』


「君となら楽しいかなって」


『じゃあ、登る前に呼ばなきゃね』


「呼び方分かんないのに？笑」


『うるさいな。笑』




いつもと変わらない、なんてことない会話だった。




でもなんだか全然違う気もした。


だってあのお使いさんがわざわざ階段登るんだよ？


人間側に合わせることなんて今までなかったのに
どういう風の吹き回し？

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す