Dear Destiny ~僕が見える君と~

お使いさん ページ8

お洒落ぶったオープニングしてみたけど
なんにも解決してないから話を戻そう。





『それで…見えるとか見えないとかどういうこと？』


「君、こっち側の人？」


『…こっち側とは？』




こっち側…なんのことか分からないけど
それに答える気はなさそうで…




「ねぇ、本当に見えてるんだよね？
僕、どんな服着てるか分かる？」




何故かめちゃくちゃ疑われてる…


ずっと見上げながら訳分かんない話をしてるから
首も頭も痛くなってきた。


分かるも何も…見えるままを答えるしかない。





『…千鳥格好柄のセットアップ』


「おっ！すごい、正解」


『なんなの…』


「あとは？」


『…黒のタートルネック』


「やば。また正解」


『だから！なんなの？からかってる？
さっきから見えてるって言ってるじゃん！』


「ははっ、ごめんごめん。
僕も初めてのことだからびっくりして」


『よく分かんないけど…私帰るんで。さようなら』


「え、ちょっと待って」


『しつこいなぁ…』


「今そっち行くから」






そう言って手すり上で重ねていた手をほどいて
ポケットに突っ込んだあと
反対の手で髪をかきあげながら
バルコニーの横の階段を降りてくる。




その一連の動作を見て
絵になるなぁなんて不覚にも思って
やっぱり私の中でモデルさん説が濃厚に。

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