. ページ11
「とにかくここじゃなんだし
あー、でも俺ん家は…よくないよね」
『…ほんとに大丈夫だから』
「ねぇ、まだそれ言うの？
俺らそんな仲良くないけど話聞くくらいはできるよ？
Aちゃんが話したくないなら
話さなくていいけど…落ち着くまでそばにいるだけ。
それもダメ？」
『……』
優しい言葉をもらいすぎて
なんて言っていいかわかんなくて黙ってると
「とりあえず家まで送らせて。
Aちゃんが平気そうならすぐ帰るから」
ほら、行こって夏輝くんはスタスタと歩き出す。
『え…ちょっと…』
戸惑いながら追いかけて
夏輝くんはそのまま少し前を歩く。
泣き顔を見ないようにしてくれたのかもって
勝手に思ってると…
「俺さ、あんまり人といるの好きじゃないし
他人にも興味ないんだよね」
いきなりそう言われて
前を歩いてるから表情も見えなくて
やっぱり迷惑だよなぁって思って俯く。
「だから普段ならこんなことしないんだけどね。
まぁ、こんなに泣いてる子に
遭遇することもそうそうないか…笑」
『…そうだよね』
苦笑する夏輝くんにつられて私も少しだけ笑う。
「事務所出たら
前にAちゃんぽい子いるなぁって思っててさ。
急に立ち止まって振り返ったと思ったら
まさかの大泣きだし…びっくりしたよ」
『…ごめん、迷惑だよね』
「あー…ごめん！言い方間違えた。
全然迷惑とかじゃなくてほっとけなかったの」
『え、なんで？』
「泣いてたのもあるけど…んー、なんでだろ？」
『私に聞かれても…』
「多分…大樹くんがいつもみんなに
Aちゃんのこと話してて勝手に親近感っていうか
妹みたいって思うからかなぁ」
『あぁ、お兄ちゃんか…』
この頃は本当に夏輝くんの中でも
私は妹みたいな存在だっただろうし
私もそれを感じてたから懐くようになった。
お兄ちゃんに話せないことは
夏輝くんに話したりしてたし
お兄ちゃんより夏輝くんといることのが
多かった時期もあった気がする。
兄妹みたいな関係で過ごした時間が本当に長かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな(プロフ) - efさん» さすが無自覚甘夏…破壊力抜群ですね笑 こちらこそいつもありがとうございます^^ (2020年8月23日 13時) (
レス) id: 78a23214e8 (このIDを非表示/違反報告)
ef(プロフ) - 無自覚甘夏に完全にやられましたー/// ニヤケが止まらないです笑 幸せなお話ありがとうございます！！ (2020年8月23日 11時) (レス) id: 4813a6b67d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 不思議の国の澤本さん» こちらこそリクエストありがとうございました^^癒しになれて嬉しいです！ぜひぜひ！お待ちしてます^^ (2020年8月23日 11時) (レス) id: 78a23214e8 (このIDを非表示/違反報告)
不思議の国の澤本 - 素敵なお話ありがとうございました！夏休みの疲れ吹っ飛ぶくらい癒されました(´∀｀)また思い浮かんだらリクエストさせてください！ (2020年8月22日 22時) (レス) id: 71b17d9ff5 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - ひなさん» 了解です^^順番前後してしまうかもしれませんが、お待ちください！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: 78a23214e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな | 作成日時：2020年6月8日 21時
