Tie and Tie -Leiya Seguchi- 2

溢れ出す ページ49

「A…っ…大丈夫か…！？」










肩を掴み、心配そうに覗き込むその人。


放心状態だった私は、大好きな声で我に帰った。









「A…！！」



『え？あ……』



「大丈夫か！？」



『……れいや？』



「はぁー…お前無茶しすぎだろぉ……」



『……』









返事もできず黙り込んでると
首元に優しく触れられたと思ったら





「…傷もなさそうだな」





安心したように呟いた後、
今を把握する前に、この状況はまた目まぐるしく変わる。








だって、気付いた時にはもう腕の中で…







「よかったぁ…マジで…」



『……っ』






戸惑うより安心が勝って泣きそうになったけど



「その喧嘩っ早いとこどうにかしろよな…」



その言葉に、反省が押しのけてやってくる。











『ほんと、ごめん…』



「……」



『怒ってる…？』



「は？怒る？なんで？」



『2人を守ろうとしたのにこんなことになっちゃって
結局こんな風に迷惑かけて…』



「怒ってねぇし迷惑でもねぇよ…」










後継者のためにここまでするような会社だ…


この先また…









『また懲りずに何かしてくるかもしれないし…』



「…そんなん何度でも返り討ちにするだけだろ」



『……っ』



「それより……」



『それより…？』



「出てくなら、せめて一言言ってけよ…」



『…一言言ったら絶対止めたでしょ』



「…そらそーだろ」

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